閉店時間が来るまでに、わたし以外のお客は誰も来なかった。BARでは、こういう日も時々あるらしい。
「営業時間内は好きに吞んでて良いですから、そのあと店内の掃除をお願いしても良いですか?」
店主がそう言ってくれたので閉店時間までの間、本当に好きに吞ませてもらった。
箒を渡されたときに、ほんの少しだけど、わたしの指と、店主の指が……、触れあった。
店主の視線を、強く感じる……。顔が熱い。
店主の顔を見ていられない、クラクラする……。
こんな気持ちになったのは生まれて初めてだ。これが……、本物の……、恋……。
掃除するよう言われたので床を掃く。
足元がおぼつかない……、頭が……、バットに額を当ててグルグル回ったあとみたいな……、うう……、正直、寝ちゃいたい……、でも……、幸い狭いBARだったので、すぐに掃き終わった。
……なんか……、ちょっとキモチワルイ……
恋は辛いと聞いたことがある。
こういうこと?
冗談抜きで眠ってしまいたい……。
でも、本物の彼氏かも知れない男が居るのに、眠ってしまうわけにはいかないし、吐くだなんてあり得ない……。
洗面所で手を洗いながら鏡を見た。
わたしの顔は真っ赤で、目付きがとろんとしていた。
完全に恋だ。これは恋する女の顔だ。
そしてあの男は、間違いなく、わたしの本当の彼氏だ。
よく、絶対なんてことはないとか言われるが、このときばかりは、絶対を確信した。
たぶん次はテーブルを拭くのだろうとは思ったが、勝手なことはしないほうが良いと考え……、というのは建前で、本当は、もう我慢出来ないというのが正直なところで、何が我慢出来ないのかといえば、つまりそれは、早く告白して欲しいというわけで……、なんだったら告白よりも先に、押し倒してくれても構わないとすら……、わたしは思っているわけで……
そんなことを考えながらわたしは、次は何をすれば良いのかを訊く為という大義名分の元、わたしに箒を渡したあとの店主が、伝票整理をすると言って入っていったスタッフルームへと向かう。
わたしは今から告白されるのか、押し倒されるのか、どっちだろう……。
スタッフルームの扉は開け放たれていた。
「……」
中を覗くと、店主はパソコンで、ニヤニヤしながら動画を観ていた。
……エロ動画だった。
……どうやらレイプ物らしかった。
なんで?わたしが居るのに……、イメトレ?
わたしが覗いていることに気付いた店主が、くちを開く。
「おい、ちょっとこっち来いよ」
告白されるのか、押し倒されるのか……、告白のあと押し倒されるのがベターだけど……、あ、やっぱり押し倒されながら告白されるほうが好きかも……。
「は~い」
「この動画観てみろよ」
何故か店主は、告白よりも押し倒しよりも先に、レイプ物のエロ動画をわたしに観ろと言う。
一瞬、こういうのって、恋人同士でもセクハラになるんじゃないのかな?と、コンプライアンス的なことを考えたが、わたし個人としては、特に気にならない性質なので、言われた通り、動画を観る。もしかしたらエロ動画でわたしをその気にさせてから押し倒すという算段なのかも知れない。
そんなことしなくても、わたしはとっくにその気ですよ?
「おい、金髪とカラコンなんかでバレねぇつもりか?」
PC画面の中で、何故かわたしの妹が、まわされていた。
「俺の顔忘れたんか?あんだけやりまくってやったのにバカなの?お前」
PC画面の中で、妹をまわしている男達の中にいる一人を、店主は指さした。
店主本人だった。
両腕に彫られた、ヘタクソでダサい刺青が同じだったし、顔も同じだ。
恋に浮かされ、あんなにも熱かった顔が一気に冷め、それと同時にぼうっとしていた頭や、フラフラだった身体も、普段のわたしに戻った。
と、思った。
―――余談だが、翌日知り合った金髪パーマでオッドアイの美人さんに、このことを話したら、「それは怒りとか殺意で一時的に酔いが覚めたんだよ」と、教えてくれて、その後酔いが戻ってわたしの意識が飛んだことを言い当てられた。アドレナリンというホルモンについて簡単に説明してくれて、わたしはそのメカニズムについて、軽くではあるが、知ることが出来た。恋に関しては、「それは恋に浮かされたんじゃなくて、普通にお酒で酔っただけだと思うよ?そうとう吞んでたんじゃない?」という発言で、初めてお酒を呑んだわたしに気付けるはずもないことを気付かせてくれた。そのあと「あのひと見るとドキドキするでしょ?」と、尋ねられた。わたしは、「見なくても考えただけで……、というか……」金髪パーマでオッドアイの美人さんは、わたしの発言を遮るようにして、「それが恋だよ」と、教えてくれた―――
PC画面を指さした店主の、もう一方の手には拳銃が握られており、その銃口は、わたしのお腹に向いていた。
わたしは、同じ拳銃を見たことがある。触ったことも、撃ったこともある。
スカイヤーズビンガム。
世鬼山を思い出した。
「お前の首に、賞金かかってんの知ってた?」
「……」
「久し振りのお楽しみだなぁ、冥土の土産に、今夜は朝まで可愛がってやるよ」
スカイヤーズビンガムの安全装置がONになっていた。この状態では撃てない。
けれどもわたしは、何も言わずに自ら服を脱いだ。
そして、心の中で、こう言った。
『冥土の土産は、お前が受け取る側だよ』と。
・・・・・・・・・・・・・・・
一回させてあげてから、一回だけ頭を殴った。
一度は忘れてしまっていた『人間の殴り方』だったが、わたしの拳はもう完全に、思い出していた。今後また忘れることは、たぶんもうないだろう。
スカイヤーズビンガムを久し振りに撃つ必要はなかった。店主の頭蓋骨は、いとも簡単に陥没した。
動画を、最初から観た。
「アハハハハ」
もう、眩しくない。
動画を観ている途中でそう思い、わたしは思わず、大きな声で笑っていた。
妹に会いたい。
わたしの大切な……、わたしの愛する妹に……。
会って強く抱きしめたい。
手加減なしで、思い切り。
ガチャッ
BARの扉が開く音がした。
まだ鍵はしておらず、看板も、OPENのままだった。
とりあえず、動画は削除しておいた。
店主の亡骸に、一応新聞紙を被せて隠し、BARカウンターに出ると、男の人が、壁に掛かったわたしの時計を見ていた。
わたしは、一応、
「こんばんわ」
と、言った。
もう閉店だと言って、帰ってもらうつもりだったが、こちらへ振り向いたその男の人が、もの凄いイケメンだったので、そのまま接客を続けることにした。
この人が、わたしの本当の彼氏だったら良かったのに……。
と、そう思いながら。
わたしの本当の彼氏は死んでしまった。ついさっき、わたしが殺した。
「こんばんは」
もの凄いイケメンが挨拶を返してくれた瞬間、わたしは今、自分が全裸だったのだということに気が付いたが、もの凄いイケメンは、そのことに気付いていないのか、或いは、まったく気にしない性質なのか、兎に角、少なくとも変に思っているよう素振りは一切見せなかったので……、わたしは、
「どうぞ」
と、言ってカウンター席に手を向けた。
「ありがとう」
もの凄いイケメンは、そう言っただけで、カウンター席へ普通に座ったので、わたしは今自分が、全裸であるのだということを一旦忘れることにした。
TO BE COMUGIKO

おまけ

ペンネはいつも超固茹で♪(・∀・)♡

硬いペンネ好き♪(・∀・)♡

硬いペンネはお酒のアテにも最適👍🤤♪(・∀・)♡

卵黄クイズ?!の……

練習問題?!

「わたしも硬くて太いの好きだよ♡」

「あ……そーゆー話しではないんですよ……」

「………………」

「………………」

「バーテンダーさん……」

「ん?どうしたの?藤子……」

「Josh君がわたしのこと虐めるの……」

「?!」

「ダメじゃんJosh……

藤子……こいつのくちにガムテープ貼ってから手ぇ押さえてて……」

「いきなりいれちゃってください♡

このイジメっ子はそーしたほーが喜ぶから♡♡♡」

OK☆

それではまた明日~(^з^)-☆(@^^)/~~~