全ての玉葱を、微塵切りにし終えた。
「OK!ミッション終了!!」
「そんな大したものでもないでしょうに。しかも三分の二くらいは、やったの僕ですよ?……、あ……、ていうか……」
「え?」
「もうすぐ営業時間じゃないですか……、バーテンダーさん居ないのに……、どうします?」
「え?今夜はJoshくんが仕切るからって……、バーテンダーさんから聞いてるんだけど……」
「え?僕が仕切るんですか?料理だけならなんとかなるけど……、ソムリエとバーテンダーも兼任するのは、分身の術でも使えなきゃ無理ですよ?」
「でも仕方ないじゃん?バーテンダーさん居ないんだもん。私、ウエイトレスならするからさ、がんばろ、それに、バーテンダーさん抜きでもちゃんと出来たら、絶対に褒めてもらえるよ?褒められるの大好きって言ったじゃん?」
「……まあ、頑張りはしますけどね……、けど……、朔乃さんもそろそろ、下処理ばっかじゃなくて、料理とかカクテルとかも、教えてもらったらどうです?」
「あぁ……、私もそう思って、バーテンダーさんに言ってみたことあるんだけど……、なんかね、朔乃は下処理と下の処理に全力注げって言われて、余計なこと考えてる暇があるならそっちの技術をもっと磨けって……」
「あぁ……、そっちっていうか、そっち系なんですね……」
「あ、でも私、ガーデニングもやってるよ?けっこうちゃんと。最近はまあまあ良い感じになってきてると思わない?」
「ああ、そういえばそうでしたね、確かに最近良い感じになって来てます」
「でも、今日はちょっと料理もしてるよ?ダイヤル回しただけだけど、アハハ」
少し前から良い香りがしていたのは知っていた。
オーブントースターが、
チンッ
と、鳴いた。
「Joshが戻ったら食べさせろって、バーテンダーさんが」
「?」
ナポリタンのチーズ焼きだった。
とても美味しいやつだ。
「ねえJoshくん?私、今日賄いもらってないんだけど半分食べちゃダメ?」
「……朔乃さん?普通にナポリタンつくってもらったんでしょ?いつも通りの超大盛りで」
「……」
「僕が帰って来る前に、藤子さんと棕櫚さんと、三人で一緒に食べたんでしょ?」
「……なんで解ったの?もしかして、Joshくんも他人の心が読めるの?」
『も』というのはバーテンダーさんのことを言っているのだろう。
確かにバーテンダーさんは、他人の心を読む技術に長けている。
朔乃さんはたぶん、それをファンタジー的な、つまりは魔法や超能力的なものだと思っているのだろう。
けれどそれは、違う。当然ながら。バーテンダーさんの他人の心を読む技術は、今までの接客経験と、おそらくは修練によって身に付けられたものだ。
マンガじゃないんだから、本当に他人の心が読める人間なんて居ない。
もちろん僕だってそうだ。実際に心を読めるわけではなくても、相手のことをしっかり観察し、性格や過去の記憶などと照らし合わせることで、その人の考えていることは大体解る。
「そうだよ。だから僕には嘘なんかついても無駄さ。覚えておいて」
「えぇ?……、マジ?……」
朔乃さんはピュアだ。可愛い。
僕は、朔乃さんの口元に付いたケチャップを指先で拭い、その指先を朔乃さんに見せてから、そのまま朔乃さんの、くちの中へと刺し入れた。
朔乃さんが、僕の手首を掴む。
朔乃さんが僕の指を舐める感触は、いつも僕を、なんだか変な気持ちにさせる。
朔乃さんは可愛いだけでなく、本当に美人さんなのだ。
しかも、たぶん意識しているわけではないのだろうけれど、舐め方がエロい。
ケチャップ或いは僕の指を舐め終えた朔乃さんが、僕の手首から手を離して言う。
「オープン看板出して来るね」
「え?僕が食べ終わるまで待ってくださいよ」
「じゃあ四分の一だけで良いから食べても良い?」
朔乃さんは、どうしても僕の賄いが食べたいらしかった。
今日、朔乃さんがバーテンダーさんにつくってもらったナポリタンは、超大盛りで美味しくても、おそらくはノーマルタイプで、削りたてのパルミジャーノ・レッジャーノは、かけてもらったとは思うけど、焼き溶かしたチーズはなかっただろう。
僕が今からもらう賄いは、おそらく同じものにゴーダかステッペン、或いはその両方を散らばかして焼いたもの。
基は同じものだが、仕上がりが違う。
本気のナポリタン好きにとっては、全くの別物なのだろう。
「じゃあ六分の一だけなら……」
「五分の一!」
「……じゃあ……、それで」
「やったっ!」
朔乃さんは、さっきと違う種類のナポリタンも食べたいという欲望だけでなく、たぶん普通にお腹が空いているのだろう。
きっと、今日は僕の前だけでなく、僕がお使いに行っている間の、おそらく棕櫚さんの前か後にも、再度のエネルギー消費があったのだろう。
つまりは、食べさせてもらった賄い以上の。
このBarに居る女達は、皆イイカラダをしている。
その理由は、皆いっぱい食べる人達だけど、その分しっかりエネルギー消費もされていて、そのバランスが適正だからだ。
「あっ、朔乃さん!五分の一って言ったじゃん!」
「へへへっ」
僕はこのBarに居る人間の中で、一番痩せている。
その原因は、以前は藤子さんだけだったが、最近は朔乃さんも、それに含まれるようになってしまった。
このままでは、バーテンダーさんの好みから外れてしまいそうだ。
バーテンダーさんは、細身の女を好むけど、痩せすぎの女は好まない。
僕は男だけれど、身体は女で、バーテンダーさんのことは、性別関係なしに好きだ。
以前は女の身体が嫌だと思っていたけれど、今はバーテンダーさんが居るから、女の身体で良かったと思えるようになった。
今日の賄い、あとで少し、自力で追加しよう。とりあえず、藤子さんは仕事に行っているから、朔乃さんにだけ、見つからないようにして……。
TO BE COMUGIKO

おまけ

青無花果の~~♪(・∀・)♡

賄いピッツァ~~~💪🤤♪(・∀・)♡

※今時期の
熟さずに青いまま終わっていく無花果は
茹でこぼして灰汁抜きし
本茹ですると食べられます♪(・∀・)♡
チーズとの相性が良いので
ピッツァの具にすることが多いDEATH♪(・∀・)♡

放置プレイは勿体ないよ~♪(・∀・)♡

それではまた明日~(^з^)-☆(@^^)/~~~

え?今夜は殺られやんの?

はい☆
今夜はバーテンダーさんも藤子さんも出かけてますからネ♪(・∀・)♡

玉響の休息……か……

……………………

それではまた明日~(^з^)-☆(@^^)/~~~