~ BARで 鯖戸 ~
「ねえ……
バーテンダー…………」
「どうかした?」
「良い香りだね……」
「今夜は棕櫚さんの
大好物だよ……………」
「ねえ…………
バーテンダー………………
わたしはさぁ…………
逃げたりなんかしないよ?……………………」
「どうしたの?
突然…………
ほら……
棕櫚さんの大好物
焼けたよ…………」
「ねえ……
わたしが逃げるんじゃ無いかって…………
不安に思って居るんでしょう?………………」
「どうしてそう思うの?
そんな不安
抱いてなんか居ないよ?……」
「本当?…………」
「本当だよ?」
「そっか……
わたしの勘違いなら……
いいんだけどさ………………
「どうしてそんなふうに思ったの?」
「え?……
ああ……
なんでかな…………
…………………………
たぶん…………
たぶん…
なんとなく……………………………………
かな……………………
「冷める前に早くたべなよ」
「………………
なんか……
………………
そうだ……
ねえ……
あ~ん
ってしてたべさせてくれない?………………」
「仕方ないな……
あ~ん」
「美味しい……
ねえバーテンダー……………………
私も唐揚げも…………
……………………
絶対逃げないから安心して大丈夫だよ………………」
「解ってるよ……
なんで今夜はそんなに勘ぐるのかな……」
「何でって……………………
なんてゆーか……………………
まあ………….
…………
なんとなく……………………
かな……………………
「はいデザート
最近スコールが多くて心配だけど
今日はまた干してたんだよ」
「良い香り……
干したての梅干し……
この太陽の香りって
今ある全ての不安を和らげて……
私の心を安寧に導いててくれる感じ…………」
「はい
あ~ん」
TO BE COMUGIKO
目隠しもしてもらったほーが愉しいですよ…………
残念ながら私はそっち系じゃない…………
……………………………………
たぶん……