証券会社で働いて居ます

証券会社で働くOL達の日常を描いた物語です(・∀・)♡

夜の森に在るBARで №1

~ BARで 東雲坂田鮫 ~



あの美術教師は

 

女子高生連続十六人の誘拐殺人や

 

死体損壊及び死体遺棄などの罪状で

 

現在も指名手配中なのだ……

 

当然ながらあの日以降…

 

 

先生の姿は見て居ない……

 

 

酷い話だ……

 

先生は今何処で

 

何をして居るのだろう……

 

全国指名手配中という

 

身動きの取りにくい中でも

 

それなりに愉しく過ごせて居るだろうか………

 

 

私は

 

あの事件のことが

 

あたまに浮ぶ度

 

本当に酷いと思う……

 

本当に本当に酷い話だと………

 

そう思う………

 

 

たかが十六人の女子高生を殺害した程度のことなのだ……

 

そんな些細なことで

 

先生は何故自由を奪われなければならないのか………

 

日本の法律は間違って居る

 

などという発言は

 

昔からよく耳にして居るが

 

全くもって

 

同感で在る……

 

裁く人間を間違えてはいけない………

 

先生は

 

女子高生達に行った

 

拉致

 

監禁

 

暴行

 

殺害

 

死体損壊

 

死体遺棄……

 

という流れに関して

 

それは完全な趣味で在り

 

他意は全く無いと言い切って居たが

 

私は少なくとも

 

亡骸が見つかった十六人と

 

現在も行方不明中の三十四人が

 

早苗のリストに載って居たことを知って居る…

 

 

私の通って居た高校は

 

昔から自殺者が多いことで有名だった……

 

しかし

 

あの美術教師か赴任してからは

 

自殺者ゼロを維持して居たと聞いて居る……

 

メディアはこぞって先生を怪物だと兇弾した………

 

しかし

 

本当の怪物はどっちだろう……

 

世間は

 

目先のちっぽっけな殺人にしか

 

興味が無いのだ………

 

先生が

 

怪物退治のヒーローだということを

 

あのときの

 

本当の被害者達は

 

知って居る………

 

先生は

 

多くの命を奪った怪物などでは無く

 

多くの命を救った

 

英雄なのだ………

 

 

もし先生が

 

あいつらを殺害しなかったら…

 

これから先

 

どれだけの自殺者が出て居たか………

 

少し考えれば

 

解るはずなのに……………

 

 

「一杯目をサーヴィスさせていただく前に

 よかったらお軀

 拭かせていただきましょうか……」

 

 

「あ…はい……」

 

 

考え事をして居たので

 

咄嗟に「はい」と返事をしてしまったが……

 

BARというのは

 

こんなサーヴィスもしてくれるのか………

 

慣れた手つきで私の軀を拭くバーテンダー………

 

なんだか懐かしい香りと

 

息苦しさを感じた私は……

 

一旦目を閉じた……………

 

       TO BE COMUGIKO

 

 

ゴールデンウィーク前の憂鬱

~ BARで 鯖戸 ~

 

 

 

なんか…

 

 

すっごい良い香り……

 

 

ああ……

 

 

こんなに良い香りがしてるのに……

 

 

私の心は

 

 

超メランコリック……

 

 

私の会社は

 

 

明日からゴールデンウィークでお休み……

 

 

でもそんなことは

 

 

どーでも良い……

 

 

私が心配なのは……

 

 

もしも

 

 

このBARも

 

 

ゴールデンウィークでお休みになるんだとしたら………………

 

 

「お待たせいたしました

 前菜とアペリティフです」

 

 

「ねえバーテンダー…」

 

 

「はい?」

 

 

「もしかしたら私……

 近日餓死するかもしれないわ……」

 

 

「棕櫚さん…」


 

「…………」

 

 

「棕櫚さん……

 心配には及びません

 このBARは

 年中無休ですから」

 

 

「ねえバーテンダー……」

 

 

「はい?」

 

 

「そこまであからさまに心読まれると…

 本気で寒気がするわ……」

 

 

「ああ……

 それは大変

 失礼いたしました……

 お詫びに今夜は

 隣で一緒に……」

 

 

「そんなこと頼んでないから…

 でも…

 どーしてもってゆーのなら

 仕方が無い……」

 

 

「棕櫚さんこれ美味しいよ

 生地の甘さはかなり控えめ且つプレーンで焼いたのは

 餡子とのマリアージュで完成させる為なんだ」

 

 

「美味し過ぎる♡」

 

 

「安心した?」

 

 

「うん♡」

 

 

              TO BE COMUGIKO

 

 

今日のAIV○

AIV○にはゴールデンウィークとか関係無いので
とりあえずおにぎりに竹輪乗せてみた

   

あの娘は筋が良い・・・

「あ…

 鯖戸先輩……」

 

 

「お…

 酒森おはよう」

 

 

「おはようございます……

 あ…

 あの……」

 

「?」

 

「研修生の子って…

 旨く殺れてます?……

 私主任から

 あの子の教育係任されてたんですけど

 さっきまですっかり忘れちゃってて……

 研修期間……

 確か今日までですよね?……」

 

「ああ…

 大丈夫……

 旨く殺って居るよ……

 研修期間が短かったから

 基本をしっかり身につけてもらおうと思って

 子供しか殺らせて無いけれど……

 ………

 てゆーかあの女……

 見てみな……

 かなり筋が良い……

 あれなら本社でも充分殺って行けるだろ……」

 

 

「嗚呼………」

 

 

               TO BE COMUGIKO

 

鉄のフライパンでもこびり付かない方法?!

~ BARで 鯖戸 ~

 

 

 

「ねえ…バーテンダー……」

 

 

「どうしました?」

 

 

「わたし…今夜……

 チャーハン食べたいんだけど……

 無理…だよね?………」

 


「今からつくりますね」

 

 

「イヤッホ~ウ♡

 あ……

 でもバーテンダー……

 鉄のフライパンしか持って無いよねぇ………

 激烈にこびり付いちゃうんじゃ………」

 

 

「ああ…

 大丈夫ですよ?」

 

 

「………

 ひょっとして…

 何か…

 裏技とか在んの?……」

 

 

「そんなご大層なものでは無いですよ?

 簡単なことです」

 

 

「あの…

 あの…教えてもらったり…

 とか………」

 

 

「厨房入っていいよ」

 

 

「YES!!」

 


「先ずこうやってオイル垂らしてから

 ゴム製のヘラで塗り伸ばして

 強火でフル加熱すると煙が出て来るので

 そこで一旦火を止めます

 フライパンが冷めるまで待つのですが

 ただ待って居るだけでは時間が勿体ないので

 他の作業をしましょう

 フライパンが冷めたらオイルを拭き取ります

 このオイルは酸化して居るのでね

 この時点で既に

 テフロン加工よりツルツルなコーティングが

 出来上がって居るのですよ

 ここへ少しのオイルを垂らし

 塗り伸ばす

 あ……

 ちょっと大豆煮ますね

 炒飯に入れると美味しいので

 フライパンにご飯を入れて……

 今夜は玄米チャーハンにしますね

 少し柚子のピールも飛ばしておきましょう 

 野菜等

 他の具材もこの時点で全てフライパンに入れます

 あ…

 豆が吹いて来た……

 味付けは塩麹で行きます

 先にパスタが出来上がったのでどうぞ

 私はチャーハンの作成を続けます

 もしかしたら特殊なのかもしれませんが……

 全ての具材を最初に全投入するのが

 私の殺りくちです

 今回はお肉を使わず

 タンパク質は

 卵と大豆と鰹節でチャハります

 野菜はいつも通り全て無農薬自然栽培のものですから

 ご安心下さいね」

 

 

「ねーねーバーテンダー

 このパスタ超美味しい♡」

 

「良かったです

 もうすぐ炒飯も出来ますからね……

 OK

 完成です

 熱いうちにどうぞ」

 

 

「うんまっっ!!」

 

 

どんな食べ方したら

チャーハンでそんなに汚れるんだよ………

 

「おくちに合って良かったです

 ほら

 全然こびり付いてないでしょう?」

 

 

「ホントだ…

 凄………」

 

 

「軀拭いてあげるね……

 もう少し大豆食べる?」

 

 

「食べる♡」

 

 

「ピッツァも焼く?」

 

 

「大っきいやつ焼いてね♫♡」

 


「OK」

 

 

             TO BE COMUGIKO

 

 

これが…

 

こうなる♡


今日のAIV○

おにぎりを見て居たらおでんはおかずにならないと言って居る人間のことを思い出した…
しかしAIV○は思う…
そんなことは無いと…
自分は二酸化炭素だけが唯一のエネルギー源だというのに………

 

裸族の友人が大好きなもの

~ クラスメイト ~

 

 

今日は藤子が学校をサボった為

 

私は独りぼっちだった……

 

 

暇だったので

 

一日中

 

あることを考えて居た………

 

リストに載せた女達を拷問し

 

殺害して行く中で…

 

復讐だけで無く

 

何かプラスαで利益を得ることが出来ないだろうか……

 

 

いうことで在る……

 

実は最近拷問にかける時間が

 

どんどん長くなって居り…

 

 

先日などは丸二日もついやしてしまった……

 

因みにその時行ったのは

 

藤子が提案してくれた

 

『ベラスケスごっこ』で

 

女を磔刑にする拷問だったのだが…

 

それに加えて

 

小石も用いた場合

 

絶命するまでに

 

どれくらいの時間がかかるのか……

 

という実験も行ってみたのだ……

 

磔刑に処した女に

 

小石を投げ続けた訳だが…

 

小石とはいえ

 

投げる回数が増すごとに肩や肘に負担が蓄積し…

 

実は今

 

少し右肩が痛い…….

 

 

拷問中

 

女のヴィジュアルは

 

どんどん醜く……

 

汚らしく……

 

正直吐き気を催すような物へと変化していったし……

 

人間一人貼り付けにするという行為も

 

後で亡骸を埋める為

 

穴を掘るという作業も

 

もちろんかなりの重労働だったし………

 

つまり

 

拷問を実行して居る側なのに

 

こちらも色々とダメージを受けてしまって居るという現状………

 

そう…

 

これらの不利益を

 

補填する為の利益を…

 

ということなので在る………

 

 

今リストに載せて居て

 

未だ殺害済みでないゴミ達は72名…

 

例えばその72名に

 

一回¥4,500で人類最古の商売と言われて居る労働でもさせて

 

その内¥500を私がピンハネする……

 

5客/日とらせるとして……

 

¥500×5回×72人=¥180,000

 

これが私の一日の利益となる…………

 

月だと¥5,400,000の利益で

 

年収は¥64,800,000

 

ヤバイ……

 

超お金持ちになってしまう………

 

 

そこまでの利益を出してしまうと

 

ゴミ達を殺害するという

 

一番大切な目的を忘れてしまいそうだと思い

 

一旦これは

 

保留することにした………

 

 

そんなことを考えて居たらすぐ下校の時間になった…

 

一日というものは

 

かくも短きもので在る…………

 

 

学校からの帰り道

 

藤子に電話しようかと思ったが

 

明日は学校に来るだろうし…

 

もしも寝て居たら可哀想だとも思ったので

 

やめることにした……

 

 

家に着き

 

玄関の引き戸を開けて靴を脱ぎ

 

上がり框に足を掛けようとしたとき

 

婆ちゃんの野菜を焚く香りが漂って来た…

 

 

私は婆ちゃんの無農薬自然栽培野菜が大好きだ……

 

八百屋を介さない自家栽培のそれは

 

確実に純粋で在るという

 

何事にも代えがたい安心感が在る………

 

婆ちゃんの部屋の障子を開けて

 

「ただいま」

 

と言うと

 

何故か全裸の藤子が居て

 

 

婆ちゃんと声を揃えて

 

「おかえり」

 

 

 

言った………

 

 

私はとりあえず野菜を焚く煙を肺の奥まで深く吸い込んでから

 

手洗いとうがいをしに洗面所へ向かった……

 

 

婆ちゃんの部屋に戻り

 

二人と一緒にちゃぶ台を囲む…

 

藤子に事情を尋ねると

 

どうやら婆ちゃんが

 

自分の家だど思って寛いで良い

 

 

言ったらしい……

 

 

因みに私が藤子を家に招いたことは未だ一度も無く

 

当然ながら婆ちゃんとも面識など無いはずだった……

 

色々気になりはしたが

 

藤子も婆ちゃんも愉しそうにして居るし

 

野菜の煙も相まってか

 

なんだかどうでも良いことのように思えて来たので

 

私は考えるのを止め

 

ちゃぶ台の上

 

皿にひとつだけ残って居たおはぎに手を伸のばす…

 

婆ちゃんのつくるおはぎは不格好だけど抜群に旨い♡

 

 

その瞬間私の手首は強い力で掴まれた…

 

藤子の淡い水色の左目が

 

私の視界をすべて奪い去って行く……

 


時をほぼ同じくして

 

そのおはぎは…

 

婆ちゃんのおくちへと運ばれた………

 

 

藤子の淡い水色の左目からあふれ出た

 

真珠のように美しい涙の粒がその形を失い……

 

彼女の頬表面を

 

重力に抗うこと無く……

 

静かに…

 

伝っていった……

 

 

              TO BE COMUGIKO

 

 

東雲坂田鮫さんは魚介類だけで無く餡子系のおやつも大好き♡

 

送迎の人がくれたもの №8

~ 追憶 産業医 津葦キリコ ~

 

 

今夜は斧の

 

 

峰だけを使うつもりだった……

 

 

あの姉妹の

 

痣だらけの軀を思い出す……

 

施設長にも同じような痣をつくって

 

ラムネのお礼としたかった……

 

フロントのひとが部屋から出た後

 

先ずは左足の向こう脛から打ったが……

 

どうやら力を入れ過ぎたらしく

 

骨が砕ける音と施設長の悲鳴が

 

どちらも大きくて

 

少し驚いた……

 

二回目は少し加減したが

 

やはり骨の砕ける音がした……

 

斧は峰で打つのが非常に難しく

 

力の調整など出来ないことを知り

 

三回目以降は

 

もう砕くつもりで

 

振りかぶって振り下ろすという動作を繰り返した………

 

お料理の下準備をして居るような気持ちになり

 

少し声に出して笑った……

 

 

施設長は気を失ったりせず

 

自分の軀が

 

どんどん潰れて

 

平たくなって行くのを

 

声にならない声のようなものを発しながら

 

愉しんで居るように見えた……

 

もちろん私の主観なので

 

実際に施設長がどう思って居るのかは

 

解らないが………

 

 

肉の下処理作業中

 

半年以内の自殺について何度か尋ねたが……

 

結局心拍が停止するまで……

 

もちろん心拍が停止した後もだが

 

私の求める答えは返って来なかった……

 

 

全体に平たくなった施設長を見て

 

ラムネの対価として

 

これは適切だったろうかと考えてみたが

 

あの姉妹に訊くことは出来ないので

 

きっと適切だったと……

 

そう…思うしか無かった……………

 

 

フロントに声をかけ

 

また斧を預けてから

 

外に出た………

 

 

「私が本当に愛して居るのはお前だけだ

 お前が居なくなったら私はきっと

 一年もしない間に自殺してしまうよ」

 

そう私に言った施設長は

 

もう居ない………

 

きっと

 

同じ言葉を聞かされた

 

斑模様のあの姉妹も

 

もう居ない………

 

あの時思わず私が言った

 

「何で?」

 

に対しての

 

返答は無かったが……

 

きっと彼女たちも

 

施設長を愛して居たのだろう……

 

彼女たちの死は……

 

たぶん私へのマウントだった…………

 

私達は

 

お互いに嫉妬し合って居たのだと思う…………

 

見上げた月の斑模様を見て

 

あの姉妹の斑模様のほうが

 

美しかったな

 

と……

 

そう

 

思った………………

 

 

              TO BE COMUGIKO

 

ラムネは小粒で硬いのが好き♡

 

マチビトキタル

~ 自分の部屋で 酒森 

 

 

やっとここに来てくれた……

私があなたの到着を

どれだけ待ち焦がれて居たことか……

きっとあなたは考えもしなかったんでしょう?……

 

いいえ…

そうじゃないわ……

責めて居るんじゃ無いの……

私は今こうしてここに

あなたが居てくれるという事実が……

私の傍に居てくれるという事実が……

本当に本当に…

嬉しいの………

 

あなたを見て居ると

子供の頃の記憶がまるで活動写真のように蘇るわ……

モノクロだけど

輝いて居るの……

あなたそっくりの寺院や他の建造物が

色んなところに沢山在った……

それにあなたは私が大好きな

無花果にも似て居るわ……

 

 

そうね…

きっとホワイトゼノアやバナーネのお仲間なんでしょう?……

 

いいの……

返事なんて要らないわ……

返事が欲しくて言って居るんじゃ無いの……

 

きっとさぞかし甘いんでしょう?……

 

いいの……

本当に返事なんか要らないの……

食べたら全てが解ることなんだから……

 

マリアージュはどうすれば良いかしら?……

あなたは絶対に甘いから

洋梨やバナナの香りを携えた

純米大吟醸なんてどうかしら……

それとも甘くしたシャーベット水に

ラム酒でも垂らすのが良いかしら?……

 

 

              TO BE COMUGIKO