僕はラナを一目見た瞬間に、可愛い、と、思った。
診察しながらそのことをラナに言ったら喜んでくれて、自分も僕を一目見た瞬間にカッコイイと思ったのだということを教えてくれた。
ラナとしているときだけは、彼女のことを忘れられた。
僕は、ラナで始めて、『女をやる』ではなくて、『女とやる』という感覚を知った。
ラナも、『男にやられる』とか、『男にやらせる』とかではなくて、『一緒にやる』という感覚を、始めて知ったと言っていた。
僕はラナのことが好きになった。
恋愛感情としての好きだ。
ラナも僕のことを、恋愛感情として好きだと言ってくれた。
でも……
ラナには僕よりも好きな人が居る。
僕にもラナより好きな人が居る。
ラナが一番好きな人が誰なのかを僕は知っていたし、ラナも僕が一番好きな人が誰なのかを知っていた。
僕達が、お互いのことを、お互いに好きだと思っているのは、偽りのない事実だ。
お互いに、本心から好き合っているのだという確信がある。
僕達は、お互いにお互いのことを、世界で二番目に好きだと言い合った。
ラナとはするだけじゃなくて、よく話した。
僕が本当の意味で話を出来たのはラナだけだ。
彼女にも、由子にも言えなかったことを、ラナには言えた。
ラナは、僕にだけは本当のことを話すし、僕にだけは絶対に嘘をつかないと言ったあと、
「わたし、院長さんには何でも話したい。でも……、女は一つくらい謎がないとつまらないから、一つだけは秘密にしておいても良い?」
と、そう訊いてきた。
それに対して僕は、
「無理する必要はないよ、一つだけだなんて決めなくてもいい。話したくないことは何も話さなくて良い。僕だって、僕がラナに聞いてもらいたいことを話しているだけ。唯の独善的な欲求を満たしているだけだ……。だからラナも、自分に対して忠実で居て欲しい」
と、答えたら、ラナは首を横に振りながら、
「ううん、わたしは無理してるわけじゃない。それは院長さんに、ちゃんと伝わっているでしょう?わたしは院長さんに、本当になんでも話したい。ただ……、秘密にしておきたいその一つは、今はまだその時期じゃないというだけ……」
僕はラナを抱きしめてキスしながら、きっとラナが隠しておきたい、その『一つだけ』というのは、隠そうとしているみたいだけれど、全然隠せていない頭の良さだと思っていた。
ラナと話すとき、僕は思っていることを、普段誰かと話すときのように、解りやすく変換したりしていない。
頭が良く、知識もあるラナには、その必要がなかったからだ。
思ったことを、そのまま言葉にすれば伝わる。こんなに楽で、幸せなことがあるだろうか。
それもあるから僕は、余計にラナには、何でも話せるのだ。
一旦くちを離して、もう一度キスする。
またくちを離してから、「愛してる」と言ったら、ラナの同じ言葉で綺麗なユニゾンになった。
僕達はお互いに、『二番目でも良いから』とかではなくて、『二番目だから良いのだ』と、そう思っていた。
これは僕の勘とかだけではなくて、ちゃんと二人で話し合い、本心を確かめ合っての答えだった。
僕達は、誰が何と言おうと、ちゃんと愛し合っていた。
どちらかが死ぬまでは、或いは、赦されるのならば二人が死んだあとも、この関係を続けると、二人で決めた。
ある夜のことだった……、丁度ラナがくちでしてくれているときに、僕のケータイが鳴った。
何故だか僕は、その電話が、彼女からのものであるのだということが解った。
そしてそれは、ラナにも解ったらしかった。
僕が出るのを躊躇していると、ラナは咥えたままで、もごもごと、「出て」と言った。
僕はラナの頭を押さえ、中咽頭に向けて思い切り出した。
ラナはそれを、喉を鳴らして呑み込んでから、
「出してじゃなくて、出てっていったの。電話に」
と、言った。
もちろん、それは解っていた。
僕は、電話に出た。
「はい」
ラナを仰向けに寝かせながらいれた。
『もしもし、私……』
「うん……」
『ちょっと逢いたいんだけど……』
「良いよ」
彼女とはもう逢わないでおこうと決めていたけれど、彼女から逢いたいと言われて、断れるはずなんてなかった。
彼女は、
『今、病院の従業員専用駐車場に居る』
と、言った。
電話を切り、ラナに何と言おうかと考えていたら……、
「一回いかせてから行って」
と、ラナは笑顔で言ってくれた。
「さっきからややこしいな」
「フフフ、わざとだよ」
「知ってる」
ラナにキスしながら、両手でラナの細い首を扼す。それと並行して、ちょっと乱暴にしてあげる……。
こうするとラナは、いつもすぐに、失禁しながらいって、失神する。
でも……、失禁はしたし、いったのは間違いないと思うのだけど、たぶん失神したのは演技だ。
白衣だけ羽織ってから、ラナにキスして、
「愛してるよ、ラナ」
そう言って、ラナが風邪をひいてしまわないように毛布をかけて、もう一度キスしてから処置室を出た。
処置室のドアを閉めるとき、
「わたしも愛してるよ」
と、ラナの声が聞こえた。
僕は従業員専用駐車場へ向かい、全力で走った。
全力で走るだなんていつぐらい振りだろうかと思ったが、日常的に運動っぽいことはしているので、全然普通に走れた。
アレは身体に良い。患者達にも教えてあげようと思った。
……あえてどうでも良いことを考えたのは、嫌な予感を振り払うためだったけど、効果は全くなかた……。
従業員専用駐車場が近付くにつれ、嫌な予感が膨らんで行く。
彼女の気が変わって、もう帰ってしまったのではないか……。
そんなことを考えていたら、胸が苦しくなってきた。狭心症や心筋梗塞の症状とは違う。心不全の症状に一番近いが絶対に違う。この胸の苦しさは、精神的なものだ。患者への診断なら数え切れないくらいしてきたが、自分が経験したのは初めてかも知れない……。
涙が出て来た。
自分が泣いた、二回目の記憶。
従業員専用駐車場に着いた。
辺りを見回す……
誰も居ない……
僕の目から流れ出る涙は、僕の頬を伝い、僕の首から、胸へと進んで行く……。
「なんで泣いているの?」
後ろを振り向くと彼女が居て、顔は笑っていたけれど、僕と同じくして……、涙が止まらない様子だった……。
ダメなことだと解ってはいたけれど、自分を抑えることが出来ずに、彼女を抱きしめ、キスをした。
懐かしい味だった。
彼女が何も言わずに受け入れてくれたから、そのまま植え込みの影に連れて行って、服を脱がせた。
・・・・・・・・・・・・・・・
「……なんか懐かしいね……」
「うん……、懐かしい……」
「……ねえ……」
「……ん?……」
「……女紹介するよ……」
「え?何言ってんの?いらないよ……」
「まあそう言わずに……」
「……無理だよ……、僕が誰かを……、きみよりも好きになることなんて……、そんなの一生ないから……」
「……」
「なんで泣くんだよ……、僕を振ったのはきみだよ?……」
「……」
「……」
「……ねえ……、あのころに戻れたとしたら……、また……、つきあう?……」
「……ああ……、もちろんつきあうさ……、でも……、結局別れる……。あの頃の僕は、大人の女を愛せなかったからね……」
「私、今大人だよ?」
「あの頃の僕は……、そう言ったろ?僕も大人になったんだよ……。でも……、いや……、やっぱり違う……、僕は今でも大人の女を愛せないままだ……。でも……、今の僕なら……、きみとだけは……、そういうの関係なしでつきあえると思う……、いや……、絶対につきあえる……。今の意識のまま……、あの頃に戻れたら……、絶対にうまくいく……。絶対に戻れないけれど……」
「それってつまり、これから先なら大丈夫ってことでしょう?」
「どういう意味?」
「私の魂、四分の一だけ入ってる女を紹介する」
「ごめん、意味解んない」
「名前は、オリヴィア・メアリー氷鷹。顔は私とそっくりだから、すぐに解るよ。今は鮮やかなエメラルド色の瞳をしているんだけど、キミの前に現れたとき、その瞳はキミの大好きな暗いエメラルド色に変わる。それが私の魂が入った合図。金髪だけどすぐに慣れるよ」
「僕の話聞いてる?」
「捜す必要はないよ。時期が来たら向こうから勝手にキミのところへ逢いに来てくれるからね……、えっ?あっ……、ちょっ……、ちょっと、なんでなかにだしたの?!私達、もうつきあってないんだよ?!」
「え?そんな線引きとかあるの?」
「じゃあね」
お互いにそう言って……、バイバイするつもりだったけど……、無理で、最後にと思って、もう一度キスした。
くちを離したら……、彼女が言う。
「長いって」
「ダメだった?」
「べつに……」
「……」
「今でも私のことが好き?」
「好きだよ」
「本当に?」
「心が読めるんだから解るだろ?」
「……知ってたの?」
「解るって……」
「そっか……」
「きみはどうなの?」
「何が?」
「とぼけるなよ、今でも僕のことが好き?」
「……言わない……」
「僕は心が読めないんだから言ってよ……」
「……」
「……なんで泣くんだよ……」
「……キミだって泣いてるじゃん……」
キスして……、
「……」
「もう一回だけ……」
「一回だけだよ?」
・・・・・・・・・・・・・・・
三回して、
「じゃあね」
お互いにそう言って、
僕は彼女の背中を見送った。
もう彼女は振り返らない。
そう思ったけれど……、
僕は手を振りながら……、心の中で……、或いは実際に声に出していたのかも知れないけれど……、
「お願いこっちを向いて」
僕がそう言ったら、彼女は振り向いて、僕に手を振り返してくれた。
TO BE COMUGIKO

今回は久し振りの小説投稿で在り
過去に公開した『Bella giardino』を
コンプラアウトの為全削除した為確認が出来ないということも在って
直近4~5日分の『Bella giardino』をコンプラ改定したもの+新作少々
という形での公開とさせていただきました♪(・∀・)♡
次回からはまた以前のように
前回生地の後半部分+新作1,000文字前後
を基本とした感じでの公開とさせていただく予定DEATH♪(・∀・)♡
ついでと言ってはなんですが
本日は簡単に
僕の自己紹介をさせていただきたいと思います☆
僕の名前はJoshといいます
成人男性です
生物学的には女性なのですが
中身は男性で
恋愛対象は女性です
※バーテンダーさんだけは例外です
父と母は日本人なのですが
母はクオーターで
母の祖父はイギリス人です
母の髪と目の色は黒なのですが
僕の髪と目の色は
隔世遺伝でブラウン系です
シチリアで生まれ
シチリアで育ちました
まだ日本に来て日が浅いです
僕の身体に彫られて居る刺青は
彫り師である母の手によるものです
バーテンダーさんのBARで
主として料理を担当して居ます
本当はバーテンダーさんの助手なのですが
最近は
ほぼ100%僕が殺ってます
シチリアワインとスコッチが好きで
特に
ボウモアというシングルモルトが大好きです♡

見た目若いけどJosh君もちゃんと成人してま~す♪(・∀・)♡
コンプラOKで~す♪(・∀・)♡

それではまた明日~(^з^)-☆(@^^)/~~~