｢ねえ……
しようよ……｣
｢え？……
正月早々ですか？…………｣
｢何言ってんのさ…
正月だから良いんじゃん……
早くしようよ…｣
｢優しくしてくれます？……｣
｢当たり前じゃん……｣
｢……それじゃあ………
…………良いですよ…………｣
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
お正月らしい
お正月……
謹賀新年
TO BE COMUGIKO
おまけ
～ 心の中で 鯖戸 ～
昨夜大晦日の夜
2023年最後のBARタイムを早めに切り上げた私は
酒森の棲むアパートの扉を叩いた……
酒森は
何時に無く
真剣な表情で
何かを作成して居た……
訊くとそれは……
正月を
快適に
愉しく過ごすのに
欠かせないアイテムで
毎年大晦日の夜に
必ず作成して居るという
バターサンドクッキーだと言う…………
ひとつの味では寂しいので
チョコレートヴァージョンも作成し
ラムレーズンの種類や
量……
その比率などでも
変化を付けるのだと言う…………
見て居て……
涎が止まらなかった…………
私は
呑んだ後
こういった甘いおやつを
とても欲するタイプなのだ…………
見栄えの悪いものは
今から食べるのだと言う…………
一緒に食べよう
そう…
言ってくれた……
なんて良い夜なんだろう……
少し……
クラっと来た…………
こんなに素敵な大晦日は
たぶん初めてだ…………
その後酒森は
見栄えの悪いバターサンドクッキーを私と一緒に食べながら
お正月を快適に過ごす為のアイテムを
更ににつくり出す……
お正月は初詣の後
可能な限り何もせず
ダラダラと過ごすのが正道
だから大晦日のうちに頑張る
これが日本古来からの
正しい過ごし方なのだと教えてくれた…………
こんこん煮という
酒森にとって
御節の位置付けで在るという
煮物のことも
教えてくれた……
私は刃物の使い方には慣れて居る……
だから少しだけ手伝った……
私は決めた
2024年の正月は
ここで過ごそうと
そう……
勝手に決めた…………
