~ 心の中で 鯖戸 ~
大晦日の夜に
酒森の住処に上がり込んで
意外と
女子力高いじゃん……
って
思った……
誰かと一緒に
料理したり
今まで
したこと無かったし……
特に稲荷や……
バターサンドクッキーなんて
私にとっては
未知の領域だった…………
初詣の後羽根つきして遊んでから
食事にしよう……ってなった…………
カクテルやサラダは私がつくった……
行きつけのバーテンダーの殺りくちを真似たけど……
所詮素人……見た目は微妙…………
だけど酒森は
喜んでくれた……
クラクラする……
二人で……
かなり大量に呑んだけど……
このクラクラが
呑酒起因で無いということは…………
明白だった…………
お正月らしい……
お正月…………
一般的にはどうなのかは
解らないけれど……
今思うのは
大晦日の晩に
酒森に逢いに来て良かった……
そう……
それだった…………
根菜や蒟蒻をこんこんと煮続ける鍋……
こんこん煮…………
稲荷も……
抜群に美味しい…………
減ったら追い
また減ったら追う……
酒森の指を見る……
楽器を演奏するから爪は短い……
クラクラする…………
バーを出るときバーテンダーに貰ったケーキも二人で食べた……
こんこん煮に
追う具材は
まだまだ在った……
もしも
こんこん煮に追う具材が無くならなかったら……
ずっとここに居られるかな?……
そんなことを考えながら……
ずっと酒森の指を見て居た…………
TO BE COMUGIKO