～ 心の中で 酒森 ～
永遠に続けることなんて出来やしない………
そんなことも解らない程
私は子供じゃ無かった…………
いつかは終わらせなければならないということは……
始めから解って居た……
そしてそのいつかは…………
すぐにやって来るのだということも…………
その夜は鯖戸先輩が宿直だった……
今年に入って
まだ麺を食べて居なかった私は……
麺に飢えて居た……
1.5㎜のスパゲティーニを茹でて
大豆の煮汁溶き片栗粉で
とろみをつけた……
下味として
軽く塩と醤油を用いたこのパスタを
土鍋に入れ……
こんこん煮の具材をトッピングした……
卵焼きも置いてみた…………
憂いに満ちた私の心と軀を優しく包み込んでくれる味だった…………
もしも私が追いさえしなければ……
この状況は
自然消滅的終わりを迎えるに違い無かった…………
でも私はそうしなかった………
いや……
出来なかった…………
翌日は
私も鯖戸先輩も
定時で仕事を終えることが出来て居た
正月から続く
この状況は
この日も
同じように
続いて居た…………
間違いなく
愉しい時間と
空間が
そこには
在った…………
大量のウイスキーを蒸発させながら
鯖戸先輩は
ずっと私を見て居た………
私は
それに気付いて居たけれど……
目の前の仕事に
集中した………
そして私は
目の前の仕事に
集中しつつも……
決心を固めて居た…………
出会わなければ良かったなんて……
そんなことは
思いたく無かった…………
一瞬思った時も在ったけれど……
すぐ
目の前の空気に溶けた…………
明日で……
終わりにする…………
私の心は
もう
決まって居た………………
TO BE COMUGIKO
