証券会社で働いて居ます

証券会社で働くOL達の日常を描いた物語です(・∀・)♡

女の温度と血の匂い

夜の色を吸い込んで

 

真黒になった刃を

 

女の頸動脈に当てる…

 

瞬間

 

女は「あ」と

 

くちから漏らした…………

 

まともに研いで居なかった刃は

 

まだ女の首を傷つけて居なかった……

 

女の喉に触れた刃から

 

間接的に伝わる浅い息……

 

それを感じながら

 

私は右手の小指と薬指に力を入れて……

 

強く…引いた…………

 

 

赤いはずだったその色は

 

闇に吸い取られ

 

私の頬に

 

暖かさと

 

鉄の匂いだけを感じさせる…………

 

 

首から胸に流れる間……

 

それは徐々に温度を下げた…………

 

 

少しの間を置いて……

 

どさり

 

という音と共に

 

振動が足から這い上がって来て

 

その時内腿を通り過ぎようとして居たそれと…

 

 

ぶつかった……

 

私の頬に

 

暖かさと鉄の匂いを感じさせたそれは

 

もう……

 

冷たくなって居た………………

 

   

   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

「鯖戸先輩

 ちょっと手伝いに来ました」

 

「ああ…酒森……

 ありがとう………

 でも…

 もう終わったよ……」

 

「え?

 うわ…凄……」

 

 

「ふう……」

 

「東雲坂田鮫さん…

 年末年始に取れなかった分のお休み

 いつまででしたっけ?……

 早く帰って来ると良いですね……」

 

「そうだね……

 でも…

 藤子が来るまでは

 元々私一人で殺ってた仕事なんだよね…………」

 

「あの……

 そこが先ず…

 おかしいですって……

 ハードで有名な法人営業部の中でも

 一番キツイ仕事ですよ?」

 

「仕方無いよ…

 今まで…

 他に殺れる子居なかったんだもん……

 藤子は……

 藤子は奇跡みたいなもんさ……

 藤子はメンヘ…あ…えっと……

 ちょっと不安定な所在るけど……

 これから先

 この会社を背負っていく人材だと……

 私は思って居るよ…………」

 

メンヘ…あ……えっと……ホントに東雲坂田鮫さんに背負わせちゃって大丈夫?

 

「鯖戸先輩…………」

 

「ん?」

 

「あの……

 前々から思って居たんですけど…………」

 

「ん?」

 

「この仕事って…

 例えば他社でも

 法人営業部が請け負って居るものなんでしょうか?…………」

 

「え?」

 

         メス本マグロ?28本解体直後ヘトヘトの鯖戸先輩

             

              TO BE COMUGIKO