~ 追憶 東雲坂田鮫 ~
「今先生は
とても穏やかなお顔をされて居りますし
私の心は
とても平穏です」
私は言葉を発したその瞬間から
自分の軀が溶けかけたりなどしては居らず
また時間の流れが平常に戻ってしまったことを感じた………
先生が無言で部屋を出て行き
戻って来た時………
その手には
刃渡り30㎝程の
刺身包丁が握られて居た………
「なあ…
東雲坂田鮫………」
「はい……」
「今からこの包丁で
俺がお前を刺すか
お前が俺を刺すか………
選んでくれないか?……………」
私は
明日もここで先生が淹れてくれた紅茶を
一緒に呑みたいと……
そう…言った………
TO BE COMUGIKO