~ 追憶 東雲坂田鮫 ~
女の子が置き去りにされた後……
もう一人が何処へ行くのか気になって
付いて行った………
街灯に照らされた顔には……
見覚えが在った………
「おはようございます…先生……」
先生を驚かせないよう
小声でそっと声を掛けたつもりだったが……
先生の表情は完全に固定され…
見開いた目は私の顔を捕らえて離さなかった…………
「…………
東雲……坂田鮫……………」
先生が私の名前を知って居てくれたことが……
嬉しかった……
「お前………
こんな時間に……
何してるんだ……………」
「散歩です……
先生は?………」
「……
私も……
散歩だ………」
その後私は
先生の家で
熱い紅茶を呑んで居た…………
ブランデーのたっぷり入ったその紅茶は……
今まで飲んだ全ての飲み物の中で……
一番美味しいと思った……………
TO BE COMUGIKO