~ 追憶 東雲坂田鮫 ~
「ちょっと出かけてくるから……
今日はもう帰れ……」
先生はそう言うと
玄関から出て行った…………
暫くして
私は……
隣の部屋に在った大きな冷蔵庫を開けて……
そこに在った食パンを食べた……
独りの食事には慣れて居たが
これを
先生と一緒に食べたかった………
そう…
思った………
このときの私は独りで食事して居る気はしなかったのだけれど
先生と一緒に
と……
強く……
思って居た………
服を着て
母親はもう眠って静かになって居るで在ろう
自分の家へ向かった………
手に握った包帯の柔らかさは
もうきっと
先生と逢うことは出来ないのだろうという
悲しみと……
先生と逢いたい
先生と一緒に居たい
と
いう気持ち…………
その両方を思い起こさせる
スイッチになった…………
TO BE COMUGIKO