~ BARで 鯖戸 ~
「ねえ……バーテンダー…………
なんか私……
今夜は揚げ物食べたい気分…………
でも……
やっぱ無理だよねえ…………」
「安心して下さい
今夜はちょっと
本気出しますから」
「マジ?」
「マジ」
ゴールデンウィークの最終美
それを飾るのは
やはり
揚げ物に
違いない……
この女のお腹を満たす為には量もそこそこ必要だから
今日は早朝から
色々収穫しておいた……
「ねえバーテンダー
このぬか漬最高♡」
「おくちに合って何よりです
ちょっと申し訳無いんですが
今からかなり
危険な作業に入るので
暫く
手酌でお願いして良いですか?」
「全然OK
美味しいのお願いね♡」
「OK」
揚げ物には
常に危険が
付き纏う……
しかしそれでも
揚げ物なんて止めようなどと
そんなことを言うヤツは居ない……
「うわ~
ヤバ……
サックサク♡」
「おくちの中
切らないように気をつけてね
ずっと手酌じゃ悪いから
シンプルだけど
これ
オレンジブロッサム」
「え~~
いいのに……
揚げながらカクテルつくるのなんて
危ないよ……
でもありがと……
凄く美味しい………」
さっきから尋常で無い量を揚げて居るはずなのに……
どんどん女のおくちに吸い込まれていくから
揚げ後一時置き場のかき揚げは
全然増えず………
「ねえバーテンダー……
このオールドファッション激旨♡」
揚げ物をつくる時
順番には
本気で気を使う……
本当は
ベジファーストの観点から……
「あ…
棕櫚さん
揚げたお芋さんには
お塩つけてたべてね」
「OK~♪
旨♡」
ベジファーストの観点から……
本当は
糖質系は
最後に揚げたいが……
それは出来ない……
もしも
肉系から先に揚げたとしたら
肉風味のドーナツや
肉風味のフライドポテトが
出来揚がってしまうからだ…………
「棕櫚さんゴメンね
順番逆になっちゃって」
「わたしそんなの全然気にしないよ?
美味しいほーが良いじゃん♡」
「唐揚げ
どんどん食べてって良いからね
揚げ物は
揚げたてが
一番美味しいんだから」
「ありがとう♡
なんか
わたし……
今夜はずっと
つまみ食いしてるみたい……
それにしても……
ホント揚げたてに勝る物無しだね♪♡」
「ふう……
やっと全部揚げ終わったよ
つまみ食いばっかさせてゴメンね
今からはちゃんとカクテルもつくるし
ご飯もよそってあげるよ」
「ありがと♡
それじゃあとりあえず
玄米ご飯特盛りで
さっきのオレンジブロッサムが
超美味しかったから
もう一杯お願い♡」
「OK」
この女
ホントよくたべるなぁ……
全然酔わないし……
TO BE COMUGIKO
いつも揚げ物の後はすぐにコンロを磨き上げます☆