証券会社で働いて居ます

証券会社で働くOL達の日常を描いた物語です(・∀・)♡

気持ち悪いけど最高のバーテンダー

~ 心の中で 鯖戸 

 

 

私は今日出張だった……

 

 

出張先から直帰の予定だったが

 

途中会社に寄った……

 

今夜も酒森の住処に転がり込んで

 

一緒にこんこん煮を殺りながら呑みたかったからだ………

 

今日酒森は出張だった私の代わりに

 

解体室で働いて居る……

 

解体室に行くと酒森が居た……

 

浮かない顔をして居るので

 

どうしたか尋ねると……

 

 

東雲坂田鮫が手伝ってくれたので

 

解体室での仕事自体は終わったのだが

 

別件で急遽宿直になってしまったという……

 


 

じゃあまた明日にでも……

 

そう言いかけたら酒森は私に自分の居住処の鍵を渡して

 

今夜は一人で食べて

 

その代わり新しい具材を追い

 

火入れして毛布で巻いておいて欲しいと言う……

 

 

こんこん煮に使って居る琺瑯の鍋は

 

重過ぎて冷蔵庫に入れられ無いので常温管理……

 

その為一日一回は火入れしないと心配なのだと言う……

 

家主の居ない住処へ単独で立ち入るのは気が引けたが

 

酒森がどうしてもと言うので……

 

承諾した……

 

 

しかし……

 

独りでのこんこん煮は

 

あまり面白く無さそうなので

 

いつものバーを予約して

 

少しだけこんこんした後赴く予定を立てた……

 

少しだけ……

 

そう思って居たのだけれど

 

こんこん煮を前にすると意思が揺らぐ…………

 

 

結局普通にサラダの用意をして……

 

でもこんこん煮は

 

 

少しだけ耐熱皿に移動させ

 

 

チーズを振り掛けて焼くことにした……

 

 

誘惑に勝てず鍋からも少々食べたが………

 

 

先程のものを焼いて居る間に新しい具材を追い

 

 

天地を返し

 

 

さらに琺瑯鍋のキャパシティー限界まで追ってから

 

 

火入れして毛布に巻く……

 

そして食べ終わったらすぐにBARへ……

 

という考えだった…………

 

 

こんこん煮のチーズ焼きは

 

 

予想を越える旨さだった……

 

大好きな烏賊も究極レヴェルの美味しさで

 

 

もっと多めに焼けば良かったと

 

少しだけ後悔した………

 

しかしお陰で予定道理

 

私は今

 

いつものBARでカウンター席に腰掛けて居る…………

 

 

席に着いてすぐカクテルとサラダがサーヴィスされ

 

 

それが無くなると同時に

 

 

チーズの乗ったナポリタンがサーヴィスされた…………

 

 

私の口は

 

さっき食べて来た

 

おくち汚し的なこんこん煮のチーズ焼きで

 

完全にチーズの口になって居たから

 

とても嬉しかった……

 


このバーテンダーは心が読める…………


正直気持ち悪い………

 

恐らく食べ物や呑み物の好みだけで無く

 

私が心で思って居ることの

 

全てを読んで居るに違いない…………

 

心底気持ち悪い…………

 

だけど確実に美味しいものを食べたいときは…………

 

ここに来れば良い…………

 

そんな

 

私にとって

 

何事にも代え難い安心感が

 

このバーテンダーの地獄のような気持ち悪さを……

 

凌駕して居る……

 

残念ながら払拭することは無いが…………

 

 

赤ワインを呑みながら

 

 

ピッツァも食べたいと思ったら

 

 

頼まなくても出て来るし

 

 

デザートにチョコケーキとアイスが食べたいと思えばそれが出て来る…………

 

 

気持ち悪い……

 

尋常で無く

 

気持ち悪い……

 

 

でもこのバーテンダーは…………

 

 

最高だと思う…………

 

           TO BE COMUGIKO