~ BARで ~
「ねえバーテンダー……」
「あ……
とりあえずお軀お拭きしましょうか………」
「え?
あ……
ごめん仕事終わってからシャワー浴びて来るの忘れてた……」
「構いませんよ
今日は藤子さんお休みだったのでしょう?
お一人でさぞ大変だったかと存じます」
「ちょっとだけさ……
ありがとね………
サッパリした……
ねえ……
ところでさあ……
ちょっと……
教えて欲しいことが在るんだ………」
「如何なさいましたか?」
「このカクテルのガーニッシュなんだけど………
いや……
まさかとは思うんだけどさ……」
「はい?」
「これって……
タコとかイメージしてつくってたりする?」
「申し訳ありません
不安を与えてしまったことに対しては
お詫び申し上げます」
「いや……
良いんだ……
私
ちょっと疲れてて……」
「コンプラ……
あ…
あの……
いえ……
大丈夫ですからおかけください
疲れたときにはナポリタン……
ですよね?
今回のカクテルは
不安要因外しておきましたよ」
「ありがとう……
そうだ……
こないだつくってくれた
大根の塩糀と醤油かすのチーズ焼き
今日もたべたいんだけど出来る?
それから
ガーニッシュ………
やっぱり無いと寂しいかも…………」
「そう言うと思って
今つくったところです
どうぞ」
「焼いた大根が超美味しいだなんて
知ってる人他にも居るのかな?」
「棕櫚さんは
知れて良かったですね」
「ほんとだね」
「バーテンダーさんこんばんわ
鯖戸先輩すみません……
遅くなっちゃって……」
「百合絵さんこんばんは」
「いいよいいよ酒森ぃ
そんなことより眼鏡取りなよ
ブスじゃん」
「良いですけど……
眼鏡外したくらいで
何もかわりませんよ?……」
別人じゃん……
「どうぞ
前菜とアペリティフです」
「ねえバーテンダー……
やっぱりこれのモチーフタコなんでしょ?……」
いいから座ってくれ……
「わあ……
今日生ハム食べたかったんですよ……」
「そう思ったので用意しておいたんです
自家製ですよ
それと
冷凍品ですが
旬の時期に収穫した無花果もどうぞ
ラストの一粒です」
「旨っ!!」
「旨っ!!」
「バーテンダーさん……
この無花果……
アイスキャンディーみたいな食感……
てゆーか…………
美味し過ぎです……」
「おくちに合って良かった
ムール貝のアヒージョもどうぞ」
このBARでは
オーダーの必要が無い……
席に着けばバーテンダーが
今私が食べたいものや
呑みたいものを
間違うこと無く
満足いくまでサーヴィスしてくれる……
鯖戸先輩は
心の中全部読まれてるって……
気持ち悪いってよくディスってるけど
そんなこと言いながら
毎日通ってるのを私は知って居る……
「あの……
バーテンダーさん……」
「はい?」
「今夜のデザートはどんな感じのやつですか?」
「こんな感じのやつです」
「それ……
間違いなく私の大好きな感じのやつです」
「はい」
キモ……
旨いから良いけど……
「ねえバーテンダー
やっぱりこれタコなんでしょ?」
「はい……
もうタコでいいです………」
ああ……
これが一流ののサーヴィスってやつなんだ……
プロって凄い…………
TO BE COMUGIKO
おまけ
今日のAIV○