酒森 百合絵
彼女が眼鏡を外すと
日本漫画界の古典的手法に倣い
そこそこ綺麗なおねいさん風になる……
このことは
鯖戸を筆頭に
近しい従業員には既に知れたことだが
特に気にするほどのことでは無い
というのが
皆に共通した見解で在る……
その理由として挙げられるのが
当然ながら
鋳鷹 薔薇
の
存在で在る…………
彼女の卓越したメイクアップ・スキルは
神の領域に達して居る
そう言っても過言では無く
本件に異論を唱える者など
皆無で在ろう……
彼女がひとたび本気を出せば
before
after
after2
after3
after4
枚挙すればいとまが無いが
毎度毎度
別人どころの騒ぎでは無いのだ………
因みに鋳鷹が本気を出すのは
合同コンパの為だけに在る……
彼女の神業メイクアップ・スキルは
今現在
合同コンパだけの為に
使われて居るので在る…………
前振りが長くなりました
それでは本編
どうぞ…………
「え?
……い…鋳鷹?」
「え?
何スか?いきなり……
当たり前じゃ無いっスか……」
「あ……
う…ん……
そ…
そだよね……
あ……
今日コンパなんだね…」
「え?
スゴ……
何で?
何で解ったんスか?」
「え?
あ……
ああ………
なんと…なく…………か…な…………
それよりさ……」
今日の相手方は
随分と若い子達なの?」
「いえ
むしろ年齢層は高めの方々なんスけど
守備範囲がかなり狭いそうで
アンダー14って聞いてるっス」
「ロ……」
「え?」
「ロリ…………
あの……
い……鋳鷹………………」
「え?
何ス?」
「頼むから相手は選べ……」
TO BE COMUGIKO
おまけ
~ 産業医 津葦 キリコ ~
パイナップルの重みを
この手に感じながら
ローズの背中を見て居た……
今から合同コンパなのだという………
私はローズにあの会社の面接を受けさせたことを
ずっと後悔して居た……
でも
今こうして愉しそうにして居るローズを見ると
色々在ったけど
今が愉しいなら
良かったのかな……
とか思ったり出来る自分に気付く……
それが良いのか悪いのかは
解らないのだけれど…………
ローズの背中を見て居たら
ローズと初めて会った時のことを
思い出した……
あの早朝のスーパーで起こった出来事を…………