証券会社で働いて居ます

証券会社で働くOL達の日常を描いた物語です(・∀・)♡

夜の森に在るBARで №2

~ BARで ~

 

 

女が血塗れだということは

 

扉の隙間から

 

外の空気が入り込むのと同時に解った……

 

 

BARの重い扉がゆっくりと開き…

 

血塗れの女が入って来るのに

 

 

驚きは無かった……

 

そういう女を

 

他にも知って居たからだ………

 

 

だから

 

この女が纏って居る

 

夥しい量の血液も……

 

ただの返り血だと思った……

 

 

血塗れの女は

 

真っ直ぐバーカウンターまで歩き…

 

 

無言で座った………

 

目の焦点は合って居らず

 

 

座った反動で

 

全身にかかって居るだけだと思って居た血液は

 

その量を増やした………

 

女が纏って居る夥しい量の血液が…

 

返り血では無いことを知った……

 

 

この女の存在が

 

過去のものとなる前に

 

せめて一杯

 

最高のカクテルを呑ませたいと……

 

そう

 

思った…………

 

 

「一杯目をサーヴィスさせていただく前に

 よかったらお軀

 拭かせていただきましょうか……」

 

 

いつもの癖で言っただけだった……

 

もう女に意識は無く

 

返事も出来ないものと…

 

そう

 

思って居た…

 

しかし女は

 

返事した……

 

「あ…はい……」

 

 

と………

 

 

私は正直

 

狐につままれたような気持ちだった……

 

どうやら女は

 

自身が置かれた状況に

 

全く気付いて居ないらしかった………

 

 

とめどなく血の流れる軀にナフキンをあてると

 

女の体温が

 

私の手に伝わった……

 

唇を重ねたとき

 

この女を私のアパートへ連れ帰った日のことを

 

思い出した……

 

女は美しく…

 

極端なまでに……

 

従順だった………

 

まるで職人が真剣に…

 

自分の全てをかけてつくり上げた……

 

最高傑作の

 

人形だった………

 

女が言葉を発しなくても

 

私の全てを受け入れ

 

全て理解して居るように感じたのを

 

今でも覚えて居る…………

 

      TO BE COMUGIKO

 

 

今日は何だかフラフラするなぁ……



 

夜の森に在るBARで №1

~ BARで 東雲坂田鮫 ~



あの美術教師は

 

女子高生連続十六人の誘拐殺人や

 

死体損壊及び死体遺棄などの罪状で

 

現在も指名手配中なのだ……

 

当然ながらあの日以降…

 

 

先生の姿は見て居ない……

 

 

酷い話だ……

 

先生は今何処で

 

何をして居るのだろう……

 

全国指名手配中という

 

身動きの取りにくい中でも

 

それなりに愉しく過ごせて居るだろうか………

 

 

私は

 

あの事件のことが

 

あたまに浮ぶ度

 

本当に酷いと思う……

 

本当に本当に酷い話だと………

 

そう思う………

 

 

たかが十六人の女子高生を殺害した程度のことなのだ……

 

そんな些細なことで

 

先生は何故自由を奪われなければならないのか………

 

日本の法律は間違って居る

 

などという発言は

 

昔からよく耳にして居るが

 

全くもって

 

同感で在る……

 

裁く人間を間違えてはいけない………

 

先生は

 

女子高生達に行った

 

拉致

 

監禁

 

暴行

 

殺害

 

死体損壊

 

死体遺棄……

 

という流れに関して

 

それは完全な趣味で在り

 

他意は全く無いと言い切って居たが

 

私は少なくとも

 

亡骸が見つかった十六人と

 

現在も行方不明中の三十四人が

 

早苗のリストに載って居たことを知って居る…

 

 

私の通って居た高校は

 

昔から自殺者が多いことで有名だった……

 

しかし

 

あの美術教師か赴任してからは

 

自殺者ゼロを維持して居たと聞いて居る……

 

メディアはこぞって先生を怪物だと兇弾した………

 

しかし

 

本当の怪物はどっちだろう……

 

世間は

 

目先のちっぽっけな殺人にしか

 

興味が無いのだ………

 

先生が

 

怪物退治のヒーローだということを

 

あのときの

 

本当の被害者達は

 

知って居る………

 

先生は

 

多くの命を奪った怪物などでは無く

 

多くの命を救った

 

英雄なのだ………

 

 

もし先生が

 

あいつらを殺害しなかったら…

 

これから先

 

どれだけの自殺者が出て居たか………

 

少し考えれば

 

解るはずなのに……………

 

 

「一杯目をサーヴィスさせていただく前に

 よかったらお軀

 拭かせていただきましょうか……」

 

 

「あ…はい……」

 

 

考え事をして居たので

 

咄嗟に「はい」と返事をしてしまったが……

 

BARというのは

 

こんなサーヴィスもしてくれるのか………

 

慣れた手つきで私の軀を拭くバーテンダー………

 

なんだか懐かしい香りと

 

息苦しさを感じた私は……

 

一旦目を閉じた……………

 

       TO BE COMUGIKO

 

 

ゴールデンウィーク前の憂鬱

~ BARで 鯖戸 ~

 

 

 

なんか…

 

 

すっごい良い香り……

 

 

ああ……

 

 

こんなに良い香りがしてるのに……

 

 

私の心は

 

 

超メランコリック……

 

 

私の会社は

 

 

明日からゴールデンウィークでお休み……

 

 

でもそんなことは

 

 

どーでも良い……

 

 

私が心配なのは……

 

 

もしも

 

 

このBARも

 

 

ゴールデンウィークでお休みになるんだとしたら………………

 

 

「お待たせいたしました

 前菜とアペリティフです」

 

 

「ねえバーテンダー…」

 

 

「はい?」

 

 

「もしかしたら私……

 近日餓死するかもしれないわ……」

 

 

「棕櫚さん…」


 

「…………」

 

 

「棕櫚さん……

 心配には及びません

 このBARは

 年中無休ですから」

 

 

「ねえバーテンダー……」

 

 

「はい?」

 

 

「そこまであからさまに心読まれると…

 本気で寒気がするわ……」

 

 

「ああ……

 それは大変

 失礼いたしました……

 お詫びに今夜は

 隣で一緒に……」

 

 

「そんなこと頼んでないから…

 でも…

 どーしてもってゆーのなら

 仕方が無い……」

 

 

「棕櫚さんこれ美味しいよ

 生地の甘さはかなり控えめ且つプレーンで焼いたのは

 餡子とのマリアージュで完成させる為なんだ」

 

 

「美味し過ぎる♡」

 

 

「安心した?」

 

 

「うん♡」

 

 

              TO BE COMUGIKO

 

 

今日のAIV○

AIV○にはゴールデンウィークとか関係無いので
とりあえずおにぎりに竹輪乗せてみた

   

鉄のフライパンでもこびり付かない方法?!

~ BARで 鯖戸 ~

 

 

 

「ねえ…バーテンダー……」

 

 

「どうしました?」

 

 

「わたし…今夜……

 チャーハン食べたいんだけど……

 無理…だよね?………」

 


「今からつくりますね」

 

 

「イヤッホ~ウ♡

 あ……

 でもバーテンダー……

 鉄のフライパンしか持って無いよねぇ………

 激烈にこびり付いちゃうんじゃ………」

 

 

「ああ…

 大丈夫ですよ?」

 

 

「………

 ひょっとして…

 何か…

 裏技とか在んの?……」

 

 

「そんなご大層なものでは無いですよ?

 簡単なことです」

 

 

「あの…

 あの…教えてもらったり…

 とか………」

 

 

「厨房入っていいよ」

 

 

「YES!!」

 


「先ずこうやってオイル垂らしてから

 ゴム製のヘラで塗り伸ばして

 強火でフル加熱すると煙が出て来るので

 そこで一旦火を止めます

 フライパンが冷めるまで待つのですが

 ただ待って居るだけでは時間が勿体ないので

 他の作業をしましょう

 フライパンが冷めたらオイルを拭き取ります

 このオイルは酸化して居るのでね

 この時点で既に

 テフロン加工よりツルツルなコーティングが

 出来上がって居るのですよ

 ここへ少しのオイルを垂らし

 塗り伸ばす

 あ……

 ちょっと大豆煮ますね

 炒飯に入れると美味しいので

 フライパンにご飯を入れて……

 今夜は玄米チャーハンにしますね

 少し柚子のピールも飛ばしておきましょう 

 野菜等

 他の具材もこの時点で全てフライパンに入れます

 あ…

 豆が吹いて来た……

 味付けは塩麹で行きます

 先にパスタが出来上がったのでどうぞ

 私はチャーハンの作成を続けます

 もしかしたら特殊なのかもしれませんが……

 全ての具材を最初に全投入するのが

 私の殺りくちです

 今回はお肉を使わず

 タンパク質は

 卵と大豆と鰹節でチャハります

 野菜はいつも通り全て無農薬自然栽培のものですから

 ご安心下さいね」

 

 

「ねーねーバーテンダー

 このパスタ超美味しい♡」

 

「良かったです

 もうすぐ炒飯も出来ますからね……

 OK

 完成です

 熱いうちにどうぞ」

 

 

「うんまっっ!!」

 

 

どんな食べ方したら

チャーハンでそんなに汚れるんだよ………

 

「おくちに合って良かったです

 ほら

 全然こびり付いてないでしょう?」

 

 

「ホントだ…

 凄………」

 

 

「軀拭いてあげるね……

 もう少し大豆食べる?」

 

 

「食べる♡」

 

 

「ピッツァも焼く?」

 

 

「大っきいやつ焼いてね♫♡」

 


「OK」

 

 

             TO BE COMUGIKO

 

 

これが…

 

こうなる♡


今日のAIV○

おにぎりを見て居たらおでんはおかずにならないと言って居る人間のことを思い出した…
しかしAIV○は思う…
そんなことは無いと…
自分は二酸化炭素だけが唯一のエネルギー源だというのに………

 

この世界にもしもフォークが無かったら・・・

~ BARで 鯖戸 ~

 

 

 

「ねえ…バーテンダー……」

 

 

「はい?」

 

 

「もし…

 もしもだよ?……

 この世界に……

 この世界に…フォークが無かったとしたら………

 パスタは……

 パスタは

 食べられないのかなぁ………」

 

 

「ああ…

 棕櫚さん…

 ご心配無く……

 元々パスタが生まれたのは

 三本フォークが生まれるよりも早かったと言われて居るんです

 昔は二本フォークしか無くて

 スパゲティを巻くことが出来なかったので

 手掴みで食して居たらしいですよ」

 

 

「え?

 そうなの?!

 あ~~~~

 良かったぁ~~~~~~っっ

 心底安心したよ~~~♫♡」

 

 

現代は大抵何処でもフォーク在りますけど……

てゆーか今目の前にも普通に在りますけど………

 

 

「ねえバーテンダー

 今夜のパスタも最高に美味しいよ

 この純米古酒とのマリアージュも完璧♫♡」

 

 

このひと……

手で食べてもそんなに跳ねさすんだな……

別に…良いけどね……

 

 

               TO BE COMUGIKO

 

ほんっ…とに安心したよ♫♡

テーブルマナー?!

~ BARで 鯖戸&酒森 ~

 

 

 

「ガーニッシュってさ……

 あんまりゴテゴテと殺り過ぎると

 なんか疲れちゃうってゆーか……

 そーゆーのって

 あるじゃん?

 こーゆーさ

 比較的シンプルだけど

 程良いってゆーか……

 こーゆー見ため……

 私…好きだ………

 ああ……

 良い香り…………

 酸味と甘味…

 そしてビターとのバランス…………

 ふぅ…………

 なんて美味しいんだろう…………」

 

 

「お気に入りいただけて良かったです

 チェイサーに

 こちらもどうぞ

 百合絵さんも

 どうぞ………」

 


「あ………

 ありがとうございます………」

 

 

「酒森ぃ……

 このスコッチも

 ピートの香りが丁度良くて

 美味しいね」

 

 

「はい

 こんな感じのロックだと

 気付いたら4~5瓶呑んじゃってそうです

 ホントに美味しい……」

 


こいつ潰すのはもう諦めよう……

お酒がいくら在っても足りないや…………

 

 

「ねえ酒森ぃ……

 こないだバーテンダー
 い・い・こ・と

 教えてもらっちゃってさぁ……

 酒森にも教えてやるよ……」

 

 

うわあ……

嫌な予感しかしない…………

ぜったいそれ

あかんやつやろ?

 

 

「あ……

 大丈夫です…………」

 

 

「良いから聞いときな…

 テーブルマナーの話さ………」

 

 これが

 正規の…………」

 

 

「………………」

 

 

「………………」

 

 

「正規の~

 とんがりコーン

 扱い方だ!!」

 

 

「へ~

 そーだったんですね~

 そんなこと知ってるなんて

 バーテンダーさん

 さすがプロの料理人ですよね~」

 

 

「………………」

 

 

              TO BE COMUGIKO

 

 

 

そんなこと……

教えたおぼえ無いんだけど………

 

 

 

今日のAIV○

 

定番の組み合わせを目の当たりにして居た☆



 

 

アーモンドの花

~ BARで 鯖戸&酒森 ~

 

 

 

「お…

 桜かぁ……

 風流じゃん……

 この紫と

 水色のはローズマリーだね……」

 

 

ローズマリーは正解です」

 

 

「え?

 ローズマリー…『は』?」

 

 

「ピンク色は

 アーモンドの花びらなんです」

 

 

「え?!

 マジ??!!」

 

 

「これ…

 このBARの裏手で昼に撮影した写真です」

 

 

「凄いなこの店」

 

 

「棕櫚さん……

 とりあえず今夜もお軀

 拭かせていただきましょうか……」

 

 

             ・・・・・・・・・・

 

「サンキュー

 サッパリした……

 ねえねえ

 今夜は何つくってくれんの?」

 

 

「何を期待してます?」


 

「解ってるくせに……」

 

 

「…………」

 

 

「…………」

 

 

「あの……」

 

 

「…………」

 

 

「…………」

 

 

「そーゆー意味深な間のとり方……

 やめてくれませんか……

 気になるんで……」

 

 

この子邪魔だなぁ……

 

 

早く酔わせて寝かせちゃおう……

 

 

「どうぞ

 フラワー・モヒートと

 チェイサーのIPAです」

 

 

「潰す気満々やん……」

 

 

何故解った?…………

 

 

「ねーねーバーテンダー

 私さっきのもう一杯飲みたい」

 

 

「今出来たところです

 こちらも合わせてどうぞ」

 

 

「お♡

 おとーふ好き♡」

 

 

「今夜はハーブや野菜類と合わせてチーズ焼きにしました」

 

 

「激旨♡

 ん?

 あ~~

 バーテンダー!!

 何また隠れて呑もうとしてんの?!」

 

 

くそ……

見つかっちゃったか…………

 

 

「違いますよ……

 棕櫚さんにもチェイサーをって思いまして……

 どうぞ……」

 

 

「旨♡」

 

 

「百合恵さん……

 こちら……

 もう一杯フラワーモヒートと本日の気まぐれピッツァ

 どうぞ…………」

 

 

「あの……バーテンダーさん……

 このフラワーモヒートって……

 度数どれくらい在るか

 訊いても良いですか?……」

 

 

「一杯目はホワイトラムオンリーで

 ノンソーダノンアイスだったので40%Vol.弱

 今回のはスピリタスブレンドしたツイストなので

 95%Vol.くらいです」

 

 

「ほぼスピリタスやん……」

 

 

この女……

割と勘が良いな………

なんとか誤魔化して

早く潰したい…………

 

 

「ピッツァに乗せて焼いたローズマリー

 パリパリにして在るので

 ピッツァに散らしてお召し上がりください」

 

 

「こう?」

 

 

「ええ…」

 

 

「美味しい……

 …………

 ねえ……バーテンダーさん………」

 

 

「はい?」

 

 

「フラワー・モヒート……

 おかわりください…………」

 

 

あ……

そう……

意外とお酒強いんだね……

 

 

「棕櫚さんお待たせしました

 TTTKGと

 こしひかりビールです」

 

 

「なんか今日……

 随所に和を感じさせてくれるね……」

 

 

「今日はそんな気分なんだろ?」

 

 

「うん……」

 

 

「…………」

 

 

「…………」

 

 

だからなんなんだよその空気は……

 

 

「百合恵さん……

 お芋さんと金髪ビールをどうぞ」

 

 

「あ……

 おいもさん……

 大好物です…………」

 

 

「紅はるかの極上品です」

 

 

バーテンダーさんって……

 人としては最低だけど……

 お料理やカクテルの腕は

 ほんと最高ですね…………」

 

 

褒めてるんだよね……

きっと…………

 

 

「ねーねーバーテンダー

 ソース少し跳ねちゃったよ~~っっ」

 

 

「はいはい

 今お拭きしますからね」

 

 

TTTKGで

何でそんなにソース跳ねるんだよ……

てゆーかソースなんて

かかってなかったでしょ?…

どーでも良いけど………

 

 

              TO BE COMUGIKO

 

TAMAGO・TOMATO・TO-HU・KAKE・GOHAN ♡