証券会社で働いて居ます

証券会社で働くOL達の日常を描いた物語です(・∀・)♡

姉を殺害したのは私です

~ 追憶 酒森 ~

 

 

姉が他界した原因は

 

私にある………

 

 

もしも私があのころ……

 

嘘でも良いから

 

笑顔をつくれるスキルを習得出来て居たとしたら……

 

姉は今でも

 

元気に生きて居たかもしれないのだ………

 

 

姉と最後に言葉を交わした日……

 

姉は私にこう言った……

 

「今日学校に着いたらすぐ

 笑顔には人が集まるだなんていう

 馬鹿馬鹿しい考え方が

 都市伝説以下の戯れ言だということを

 証明してあげる」

 

 

私はそのとき

 

姉の目の奥に……

 

終わりの無い闇を見た気がした…………

 

 

今までにも……

 

何度もそれを感じたことはあったが……

 

この時は

 

それまでとは比べものにならないほどの

 

無限の暗黒だった…………

 

姉は私の

 

唯一の理解者で

 

私は姉のことが大好きだった…………

 

それと同時に

 

いつも姉のことが…………

 

恐ろしかった………………

 

姉は私に対して

 

常に愛と……

 

殺意の…………

 

両感情を

 

強く

 

強く

 

向けて居た…………

 

               姉は終始笑顔を絶やさなかった

 

             でも人が集まるどころか皆逃げ惑って居た

 

 

その日姉は警察に連れていかれた……

 

その後姉は女子刑務所で暮らすようになった

 

 

母に聞かされた……

 

私は母に

 

「面会に行かせて欲しい」

 

 

そう訴えたが

 

「面会は禁止されて居る

 誰も蛇苺に会うことは許されて居ない」

 

そう言われただけだった……

 

 

私の姉が女子刑務所で病死したと聞かされたのは

 

それから一年程経ったころだった……

 

ラジオでも聞いて居るかのような現実感の無さだった……

 

一滴の涙も出なかったし

 

取り乱すことも無かった……

 

私は母に

 

姉の死に顔を一目で良いから見たいとだけ言った

 

「蛇苺は他界してすぐに鳥葬されたから

 もう亡骸は無いし

 散骨を希望して居たから骨も無い」

 

抑揚の無い喋り方で

 

母が発した言葉はそれだけだった……

 

 

母の発言は絶対だった

 

私にはもう何も言うことが無かった……

 

母に禁止されて居たが

 

その夜私は姉の部屋にこっそり入った………

 


一年前と何も変わって居なかった……

 

 

壁一面に貼られた私の写真と

 

サンドバッグにプリントされた私の顔も……

 

そのままだった…………

 

 

鏡の前でチョーカーを外した…………

 

 

よく見ると私の首には…………

 

今でも消えずに

 

姉の指跡が残って居た……

 

 

               TO BE COMUGIKO

 

 

              笑顔には人が集まるだなんて大嘘だよ

 

姉のことが本当に好きだった そして 心底恐ろしかった