証券会社で働いて居ます

証券会社で働くOL達の日常を描いた物語です(・∀・)♡

死に対する恐怖すらも感じられなくなった経験

~ 追憶 酒森 ~

 

 

次に目が覚めたときは

 

蓋の隙間から

 

光が見えた……

 

どうやら夜では無いらしい………

 

相変わらずここから出ることは

 

出来そうに無いが…

 

少しでも光が見えるというこの状況は

 

何も見えない暗闇に比べれば

 

随分とましだった………

 

 

あれからどれだけの時間が経ったのだろう…………

 

私は喉の渇きも空腹も

 

もう感じてはおらず……

 

何かを考える

 

ということ自体出来なくなっていた…………

 

少し前まで頭の中を支配していた死に対する恐怖すらも……………

 

もう……

 

何も…………

 

私はこの時

 

横隔膜の浅い動きだけを

 

かろうじて感じていた…………

 

 

遠くの方で

 

かー君の鳴く声が聞こえた気がした…………

 

かー君は家で飼っている犬の名前で

 

私に一番懐いていた…………

 

 

              TO BE COMUGIKO