~ 追憶 酒森 ~
かー君に
二度も命を救われるとは
夢にも思わなかった………
一向に見つからない私を心配してずっと家から出られなかった母が
4日目にしてなんとか犬達の散歩に出かけたのだそうだ………
工場の廃材置き場…
その前を通る道が家の飼い犬たちのお散歩ルートだったことと
かー君が居たこと…
そしてかー君に使って居たリードが子犬用だったことも幸いして
私は助かった………
かー君のあんなに細い…
本当に華奢なその軀………
あの軀の何処にそんな力が隠れて居るんだろう………
子犬用とはいえ
リードを引きちぎるだなんて………
普通に考えて
出来る訳なんか無いのに………
TO BE COMUGIKO