～ 追憶 酒森 ～
病院から退院する前も…
そして
した後も……
母親が私を
叱ることは無かったし……
鏡のこと自体
話にも出なかった……
｢よかったね｣
二人きりの時
姉が私に言った言葉………
それが…
どの事柄に対してのものだったのか……
私は未だに解らない………
それから暫くの間
私は毎週カウンセリングを受けることになった……
暗闇や
狭い場所で…
平常心を保つことが出来なくなったからだ………
その頃の私は…
湯船に浸かれないどころか
かー君といっょで無ければ
浴室に入ることすら出来ない状態で………
暗闇に対する恐怖から…
夜も電気を消せないので
上手く眠ることも出来なくなって居た…………
カウンセラーの先生はとても優しい人で……
まるで生まれてから
ずっと一緒に居たかのような安心感が在り……
カウンセリングの日が
いつも待ち遠しかった…………
先生の目を見て居ると………
何故か……
落ち着いた………………
先生の目と姉の目が……
とても似て居るからだと気付いたのは
それから暫く経ってからのことだった…………
似ているのは外観では無く
奥に潜んだ
終わりの無い闇…………
とでも表現すれば良いだろうか…………
姉と先生は………
笑い方も………
そっくりだった…………
TO BE COMUGIKO
