証券会社で働いて居ます

証券会社で働くOL達の日常を描いた物語です(・∀・)♡

ずぶ濡れの痩せた犬はとても優しい目をして居た

~ 追憶 酒森 ~

 

 

かー君と出会ったのは

 

雨の日の夜だった……

 

その夜私は姉と一緒に10秒おきの全力疾走とジョグを繰り返し

 

30分程経過したところで

 

今夜はもう上がろうかと話していた所だった……

 

不意に物陰で何かが動く気配を感じたので姉の方を見ると…

 

姉はバタフライナイフを逆手で握っていた……

 

でも私はすぐに犬だと解ったので

 

姿勢を低くして近付いた……

 

するとずぶ濡れの痩せた犬が

 

私の肩に顎を乗せて来た……

 

上瞼にあるアイシャドウが特徴的で

 

とても優しい目をしていた…………

 

かー君は偶然にも

 

家で飼っている犬たちと同じ犬種だった……

 

姉に相談すると

 

「一匹くらい増えたってお母さん気付かないよ」

 

私と同じ考えだったので

 

家へ連れて帰ることにした……

 

 

翌朝犬達の散歩前

 

母はかー君と対峙していた……

 

いきなりバレた…………

 

でも…

 

珍しく早朝から起きて来た姉が

 

「カエデって名前はどうかな?」

 

そう言うと……

 

母は黙って頷いた………

 

カエデという名は私が付けた………

 

もみじの中に楓が一枚………

 

全部で10匹になった飼い犬たちの中で

 

かー君だけが痩せていて小さかったから…

 

もみじの中に楓が一枚って思って

 

その名前を付けた………

 

楓よりもみじの葉の方がシュッとしていると知ったのは

 

それからだいぶ後のことだった…………

 

かー君は他の子達より痩せていて小さいけれどとても優しい目をしていて可愛い♡

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