~ 追憶 酒森 ~
意識が戻ったとき
すぐに姉と目が合った……
姉はにっこりと笑って……
「後ろから誰かに羽交い締めにされて
ドラム缶に押し込められた
後は何も解らない」
そう言った……
「誰に何を聞かれても
他は何も解らない
覚えて居ない
そう答えるのよ」
姉はそう付け加えた………
病室の丸椅子に腰掛けた姉の左手には…
住居用洗剤が握られて居て……
右手に握られた
小さなハサミは………
私の左腕静脈に繋がる点滴パックに………
ゆっくりと近付いていった………
私は首を
縦に振った………
TO BE COMUGIKO