~ 自分の部屋で 酒森 ~
「ねえ……
もう一粒……
使う?……」
「え?!
良いんですか?
嬉しいです」
「ねえ…」
「はい?」
「手伝おーか?…」
「あ…
でも……
あの…
今回は……
今回は独りで……
独りで殺ってみたいんです……
センパイ……
ごめんなさい……」
「あやまらなくて良いよ?
頑張りな………」
「はい……
…………
え?
センパイ……
………………
泣いてる?……」
「ああ……
気にしないで……
こんなに離れて居るのにね……」
「換気扇…
強にしてみますね……」
「ひとつだけ……
聞いてくれる?……」
「はい?」
「刃は真下に落としても切れないの……
それは潰して居るだけ……
刃はね…
スライドさせたとき
初めて切ることが出来るんだよ……」
「センパイ……」
「ん?」
「あの…
あの…ちょっとだけ……
ちょっとだけ近くで……
見てもらっても…
良いですか?……」
「良いよ……」
「あの……
センパイ?……」
「何?……」
「ちょっと……
近過ぎるかな?…………
って……」
TO BE COMUGIKO
玉葱はよく冷やしたものを
しっかり研いだ適正な刃渡りの刃物で
ちゃんと刃をスライドさせて切ろう
そして換気扇は強で
それでも私は
泣いちゃうけどね……