証券会社で働いて居ます

証券会社で働くOL達の日常を描いた物語です(・∀・)♡

送迎のひとがくれたもの №1

~ 追憶 産業医 津葦キリコ ~

 

 

あの会社に入社したきっかけは

 

以前同じ施設で暮らして居た女からの紹介で

 

私はその時13歳になったばかりだった……

 

 

丁度その頃

 

施設の女の子2名を殺害した疑いをかけられて居た私に

 

選択の余地は無かったし

 

元々早く施設を出たいとも思って居たので

 

良いタイミングでも在った……

 

 

最初に配属されたのは販売の部署で

 

扱う商品は

 

アイスとスプリングだった……

 

アイスは先ず会社から商品を買い取り

 

それを自分で決めた金額や方法で販売する

 

というものだったが

 

無一文だった私には

 

スプリングを選択するしか無かった……

 

スプリングの仕事は

 

良いお客さんだとチップをくれたり

 

ナイショで個人的に仕事をくれたりということも在ったが…

 

悪い客に当たると……

 

サイアクだった………

 

めちゃくちゃされた上に

 

ボコボコに殴られて…

 

血だらけで送迎車に帰ったこともある……

 

 

あるとき

 

殴られ過ぎて

 

暫く仕事が出来なさそうな顔にされたとき…

 

顔なじみになって居た送迎のひとが

 

「よかったらこれ買わない?」

 

と言ってきた…

 

中国製のTT-33

 

トカレフだった……

 

2万円出して

 

「今これしか持って無い」

 

 

私が言うと

 

送迎のひとは

 

「それでいいよ」

 

 

言ってくれた……

 

送迎のひとは

 

その2万円を

 

そのまま封筒に入れて

 

「ホテルのフロントにこの封筒を渡して

 さっき出て来た部屋の鍵を開けてもらうといい…

 それと…

 トカレフには安全装置が付いてないのと

 撃ったとき衝撃が強いのにも気を付けて…

 撃つときは絶対両手でね…

 俺は今から仮眠を取るから

 30分経ったら起こしてくれ……」

 

そう言ったので

 

それまでずっと頷きながら

 

送迎のひとの話を聞いて居た私は

 

「ありがとう」

 

と言って

 

ホテルへ戻った……

 

 

               TO BE COMUGIKO