証券会社で働いて居ます

証券会社で働くOL達の日常を描いた物語です(・∀・)♡

ついてないことって重なるもんだね

~ 追憶 産業医 津葦キリコ ~

 

 

 

こいつ狂ってるのか?

 

そう思ったり

 

実際に言葉にしたことは

 

今までに

 

何度も在った…………

 

だけど

 

それら全てが大袈裟だったと……

 

今日の私は……

 

理解した…………

 

 

この状況下で

 

服を脱がないのだ……

 

目の前に居る女が…………

 

 

服を脱ごうとしないのだ…………

 

 

すぐに脱いだほうが良いと言っても……

 

何故か首を横に振るのだ…………

 

 

私達が閉じ込められた部屋は

 

辺り一面

 

裸の女の骸だらけだった………

 

恋愛と一緒で

 

猟奇殺人鬼にも

 

好みが在るという話を聞いたことが在るが……

 

どうやら

 

あの猟奇殺人鬼は

 

女で在れば

 

誰でも構わないらしかった…………

 

私はこの

 

裸の女達の骸の…………

 

損傷具合から…

 

どうやって今に至ったのかが予測出来たので

 

今未だ私の目の前で生きて居る女の

 

すぐ傍まで近付いて居る運命を

 

心の底から可哀想だと思った…………

 

私は

 

猟奇殺人鬼が

 

この部屋に戻って来る前に

 

この狂った女を

 

安楽死させてあげなければ

 

 

そう思った…

 

 

が…

 

遅かった……

 

私は咄嗟に

 

女達の骸の中に紛れ込んだが

 

服を着た頭の狂った女は……

 

当然ながらすぐに捕まり

 

猟奇殺人鬼の……

 

玩具にされて居た…………

 

でもそれは

 

私にとっては好都合だった…………

 

猟奇殺人鬼が

 

嬉しそうに玩具で遊んで居る間に

 

そっと表へ出て

 

全力で山を下った………………

 

 

気付かれないよう

 

そっと表へ出るときに聞いた音…………

 

女の指が…

 

一本ずつ折られていく音……

 

目を逸らしたから

 

想像だけど

 

たぶん顔を……

 

何度も何度も殴られる音…………

 

あの部屋からはもう随分と離れ

 

全力で山を駆け下りて居る私の耳には

 

もう

 

聞こえるはずの無い……

 

音…………

 

それでも聞こえるその音に

 

私の頭蓋が軋んで居る…………

 

音……

 

音……

 

音……

 

音………………

 

バーブきつめのリフレイン……

 

この音は

 

好きじゃ無い…………

 

 

道路で車を止めた…………

 

私は服を着て居なかったけれど

 

その車の所有者は

 

そんなことには気付いて居ないかのようなくちぶりで話し……

 

私を助手席に乗せて走り出した……

 

車はすぐに舗装された道路から

 

舗装されて居ない脇道に入り

 

暫く進んだ後で…………

 

停止した…………

 

その時の私は……

 

ついて居ない日というものは

 

ついて居ないことが重なるものだということを

 

思い出して居た…………

 

 

               TO BE COMUGIKO

 

 

 

              この日マジついてなかった……