~ 追憶 酒森 ~
かー君には一度
命を救われたことがある………
姉と隠れん坊をして遊んでいたとき………
私は風呂釜の中に隠れた……
すると自分で被せた風呂蓋の上に………
そうだ…
あの時も姉は
蓋の上に何か重い物を置いたんだった………
そしてあの時姉は……
蓋の隙間からホースを入れて
蛇口をひねった………
風呂釜の中の水は
どんどん水位を上げ…
もう蓋まで10㎝位の所に来ていた…
私は泣き叫んだ…
私は泣き叫んだけれど
家にいるのは姉と私だけ………
水位は蓋まで1㎝になり…
そして
ゼロになった……
すぐに呼吸を止めたが
そのとき既にパニックを起こし
過換気症候群も併発していた私は
ほんの少しだけ肺に残せていた空気を…
すぐに吐き出してしまった……
それは泡となり
その泡が蓋に吸い込まれていくのを
私は見ていた…………
TO BE COMUGIKO