証券会社で働いて居ます

証券会社で働くOL達の日常を描いた物語です(・∀・)♡

気味が悪いバーテンダー?!

~ BARで 鯖戸 ~

 

 

「ねえバーテンダー……」

 

 

「はい?」

 

「今晩私が

 何を食べたいと思って居るか解る?」

 

 

「はい」

 

 

「?………

 何?………」

 

 

ナポリタンです」

 

 

「……

 なんで解るの?……」

 

「そうですね……

 …プロだから………

 でしょうか………」

 

「そんなの禅問答だわ………

 ……

 大盛りでお願い…

 今日はケチャップやや弱めで

 青紫蘇も少し乗せてほしいわ………」

 

「丁度今出来ました どうぞ」

 

 

「ねえ…」

 

 

「はい?」

 

 

「他のお客さんにも

 こんなことしてるの?…」

 

「時と…

 場合によっては……」

 

「気味悪がられない?……」

 

「そう思われたとしても……

 それを口に出すお客さんは居られませんから……」

 

「それは……

 何故?……

 何故だと思う?………」

 

「きっと皆さん良いお客さんだからでしょう……」

 

 

「やっぱり禅問答だわ…

 自分でもそう思わない?……」

 

 

「フフフ……

 強いて言うなら…

 禅問答と言うより……

 哲学……

 でしょうか………」

 

 

「哲学……………

 …………

 哲学ってさ……

 例えば……

 …………

 ねえ……

 哲学って言葉で説明するとどうなる?……」

 

 

「哲学を考えるのが哲学だと……

 学生時代に習いました………」

 

 

「やっぱり禅問答だわ………

 そんなんじゃ

 納得いかないもの………

 それにバーテンダー……………」

 

「はい?」

 

「哲学が哲学を考えることだなんて

 自分は納得出来てるの?………」

 

「納得は出来ますよ……

 ただ……

 私の考える表現とは少し違いますが………」

 

「私はあなたの表現を知りたいわ………

 ねえ……

 あなたは哲学を

 どう表現する?………」

 

「自分が考えて居ることを

 考える事………

 そう……

 思って居ます………」

 

 

「………

 ねえ…

 バーテンダー……………」

 

「はい?」

 

「私……

 理数系なの……」

 

「存じ上げて居ります…」

 

「でも腑に落ちたわ……」

 

 

「ええ……

 お顔を見れば解ります………」

 

 

「やっぱりあなた…

 気味が悪いわ…………」

 

 

「ビター強めにしておきました」

 

 

「最高のタイミングで

 今一番呑みたかったカクテルね………

 …………

 おいしい………

 …………

 明日の晩も予約出来るかしら?…」

 

「既にお取りして在ります」

 

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