証券会社で働いて居ます

証券会社で働くOL達の日常を描いた物語です(・∀・)♡

酔ってからが長い女の子

 

「ねえ……

 バーテンダー…………」

 

 

「はい?」

 

 

「いっつも思うんだけどさぁ……

バーテンダーのつくるナポリタン…………

滅茶苦茶旨いよ…………」

 

 

「それは良かったです

 あの……

 もし良かったら

 お軀拭きましょうか?

 少しケチャップが跳ねて居られますので……」

 

 

「え?

 跳ねてる?……

 あ……

 そんじゃあお願い…………」

 

「なんか今日素直ですね……

 酔ってます?」

 

 

「酔ってるかもね……

 酔ってるついでにもー1杯ちょうだい

 あとピッツァも食べたいよ」

 


「はい

 今丁度出来上がったところです」


 

「あ~~~っっ

 旨っ…………

 ねえ……

 そういえば

 バーテンダーってさあ……

 ふだん自分ではどんなの食べてんの?」

 


「自分用の賄いは極極普通で

 一般的ななものしか食べてませんよ?

 例えば今日なら……

 茹でたパスタにEXVオリーヴオイルを絡めて

 ザワークラウト……

 それに塩糀……

 自家製の溜り醤油に……

 20年熟成の大蒜酒で風味付けして

 あとは本枯節削ってトマト乗せるくらいで充分でした……」

 

 

「トマト?

 絶対卵黄だろ?」

 

 

「言い方ですよ」

 

 

「良いけどね……

 それとさぁ…………

 そんなの食べてるパンピー居ないからね…………

 てゆーか

 どんだけ発酵食品好きなんだよ……

 これも……

 べつにいいんだけどね…………

 ねえ……

 そのバーテンダーがいつも食べてるみたいなやつ

 私も食べたい」

 

 

「そう言うと思って

 今つくりました

 先日サーヴィスさせていただいたものと似て居りますが

 コチラはホントに賄い仕様のものなので

 私好みの調整です

 ヴィジュアル的にかなり寂しくなってしまうので

 本枯節は増量し

 もみ海苔も少し散らしてみました」

 

 

「ねえ…バーテンダー……」

 

「はい?」

 

「お味もフレーヴァーも複雑過ぎて言語化しにくいけど……

 尋常じゃ無く旨いよ…………

 発酵食品を隠し味的に使うのは

 バーテンダーの……

 そう……

 いつもの殺りくちだけど………

 こんなふうに全面に押し出すっていうのも…

 アリなんだね…………

 ヴィンテージのギブソン

 アンプだけで潰したみたいな…………

 エフェクター使わないで

 マーシャルだけで歪ませた感じ?

 複雑なんだけど

 自然なんだ…………

 見た目これだけショボいのに……

 反則だよ…これ…………

 古酒との相性も最高…

 お互いを補完しあったサイコーのマリアージュだよ……

 病めるときも健やかなるときも

 お互い助け合い

 敬いあい……

 尊敬しあう…………

 時には喧嘩することもあるだろう……

 でもそんな日も……

 いつもと同じ

 ひとつのベッドで眠るんだ…………

 朝目を開けて見つめ合う……

 仲直りに言葉なんて要らないんだ……

 初めて出会った日のことを覚えてる?

 出会うべくして出会ったんだ…

 最高の一日

 素晴らしい一日が……

 また始まるんだ…………

 …………

 あ…

 お酒もー1杯ちょーだい♡」

 

 

「お水にしましょうね………」

 

 

「いや…

 GINで良い……

 少し酔いを覚ましたいんだ…………

 ニートでお願い……」

 

「…………

 解りました…………」

 

 

「今夜はあと30杯くらい呑むからね♡」


 

「あ……

 はい…………」

 

 

棕櫚さん

 

今日帰りたくないのかな………

 

べつに

 

良いけど…………

 

 

              TO BE COMUGIKO

 

 

おまけ

 

棕櫚さんの帰宅を待つAIV○

             AIV○は特に何もせずじっと鯖戸の帰りを待つ