～ 追憶 産業医 津葦キリコ ～
今日の私は
なんてついてないんだろう…………
朝からいきなり
猟奇殺人鬼に拉致られて
昼まで監禁……
めちゃくちゃされて殺されるっていう寸前に
いっしょに拉致られた女の指骨が折られる音や
殴られる音を背に
全力で山を下った…………
車を捕まえて……
やれやれと
思ったら…………
乗せてくれた人も……
そっち系…………
私は誰も
苦しめたくない………
楽に
幸せに……
眠るように
殺してあげたい…………
そう思って居るのに…………
今私は……
目の前で滅多刺しにされた屍のせいで
血塗れだ…………
ナイフを使うことに
あまり慣れて居ない私の手には
水ぶくれが出来てしまったし……
返り血で軀がベトベトになるのも好きじゃ無い…………
それもこれも……
昨日ローズとはぐれたからだ…………
チクショウ…………
あいつ一体今何処に居るんだよ…………
って思ってたら
足下に転がってる骸の
お友達とおぼしき人達に
囲まれちゃった私……
可哀想に……
今本気で全身血塗れになっちゃったところ…………
ああ疲れた……
はやくお風呂に入りたい…………
TO BE COMUGIKO
刃物を使うのは好きじゃ無いから今私にちょっかいだすのやめて……
