証券会社で働いて居ます

証券会社で働くOL達の日常を描いた物語です(・∀・)♡

音楽教師とアヴェ・マリア 後編

~ クラスメイト ~

 

 

 

女が既にこときれて居るということは

 

すぐに解った……

 

 

切り落とされた自分の頭部を

 

抱きかかえるように持たされて居たからだ………

 

手指は十本とも逆方向へ曲がって居り

 

爪は全て剥がされて居た……

 

指の無い足の

 

内くるぶしの上から下腹部にかけて

 

5㎜間隔で

 

数えるのがしんどいくらいの

 

切り傷が並んで居た……

 

白い脂肪の見えるぐずぐずの切りくちは

 

ノコギリで引いたものと推察する……

 

乳房が見当たらず

 

肋骨が露わになって居る……

 

きっと生殖器も切り取られて居るだろうと思い

 

足を広げて見てみたが……

 

 

執拗に切り刻まれて居り

 

あるのかないのかすら解らない状態だった……

 

瞼とくちを安全ピンで留められた顔を見て

 

「あ」

 

 

 

思わず声が出た…

 

出来れば今日中に

 

難しくとも明日の朝までには……

 

私がこの手で

 

16年の長過ぎた人生に

 

帳を下ろして殺るつもりだった女だった……

 

 

犯人には心当たりが在った……

 

 

ここまで執拗な拷問を行うというのは

 

事情を知って居る者の犯行に他ならない……

 

藤子のケータイを鳴らして

 

実習室からブルーシートを持って来てほしいと頼んだ……

 

 

 

ブルーシートで丁寧に亡骸を包み

 

内容物が出て来ないよう

 

布のガムテープでぐるぐる巻きにして

 

二人で運んだ……

 

すぐに埋めたかったが

 

人通りの多い通学時間帯でのそれは

 

明らかに不可能だったので

 

ひとまず側溝の蓋をはずして

 

その中に仮置きし

 

蓋を戻してから教室へ向かった……

 



教室に近付くにつれ

 

何やら騒がしい雰囲気を感じ

 

ほとんどのクラスメイト達が

 

廊下に出て来て居ることに気付いた…

 

他クラスの者も含め

 

大半の生徒が蒼白な顔をして居て

 

泣きじゃくって居る者や完全に無表情になって居る者も居り

 

何故か廊下は吐瀉物まみれになって居た……

 

窓ガラス越しに教室内を覗くと

 

音楽の鮒木先生が

 

血塗れで愉しそうに笑って居り

 

いつもの優しい声で『アヴェ・マリア』を歌いながら

 

裸で女子……

 

のような物を抱いて居た……

 

教室内に散らばった

 

数人分の……

 

元々は人間の形をして居たであろう肉塊からしたたり落ちる

 

赤い液体が奏でる調べには

 

諸行無常の響きが在った……

 

「藤子……

 違うんだったら言ってくれれば良いのに………」

 

 

「え?何のこと?……」

 

 

「ああ…

 ま……

 いいや………」

 

 

遠くから近付いていたサイレンの音が止み

 

バタバタと階段を駆け上がってくる足音に置き換えられた……

 

鮒木先生はその間も『アヴェ・マリア』を歌い続けて居た………

 

この時私はあることを思いつき

 

 

それがとても良い考えだと思ったので

 

 

 

実行に移すことにした………

 

 

 

結局この事件は

 

女子生徒5名死亡1名が行方不明という結果になった……

 

殺害された5名の内一人だけ

 

なかなか死体が見つからず

 

側溝の中に押し込まれて居たのが発見されるのは

 

翌日を待たなければならなかった……

 

舟木先生は

 

1階の女子トイレ内掃除用具室に隠したと供述したらしいが

 

それが嘘で無いことを

 

私と藤子だけが知って居た……

 

鮒木先生は

 

「生徒達が大好きだった 愛して居た」

 

と言って居り

 

容疑に関しては

 

1名の死体遺棄

 

1名の行方不明者のこと以外は

 

全て認めて居るそうだ……

 

 

アヴェ・マリア』は受胎告知の曲だ……

 

鮒木先生が授業中に

 

これは一方的で突然のギフトだったが

 

マリアは嬉しかったに決まってる

 

幸せに感じたに決まってる

 

 

誰も何も異論を唱えられないような圧で言って居たのを

 

私は覚えて居る……

 

殺害された5名は

 

何れも音楽の成績優秀者で

 

あの1名の死体遺棄

 

未だに捜索の続いている1名の行方不明者のこと以外

 

全て認めているということからも

 

鮒木先生の発言に嘘は無く

 

本心から

 

あの女子生徒達のことが好きだった…

 

愛して居たのだろうと思う……

 

 

「あーあ…

 自分で殺りたかったな……」

 

そうくちにしてみたが

 

私にお手本無しで

 

あそこまでの拷問は絶対に出来なかったろうし

 

むしろ

 

これからのことを考えると

 

早い段階で素晴らしいお手本を見せてくれた舟木先生に

 

感謝しなくてはならないということは

 

充分理解して居た………

 

 

それに……

 

愛と憎悪では

 

 

パワー的に全く比較にならないということを

 

教えてくれたことに対しても

 

感謝しなければならないと

 

それも理解して居た………

 

 

もしも自分が当事者だったらと考えてみる……

 

受胎告知も

 

舟木先生からの愛も

 

勘弁してほしい………

 

私の音楽の成績がそこそこで良かったと

 

心底思った日だった……

 

 

             TO BE COMUGIKO

 

 

事件が起きた日

 

私は便乗して

 

女生徒を一人拉致した…

 

先週藤子がくれた警棒で

 

女生徒の後ろから側頭部を殴り

 

気絶させようと思ったが

 

女生徒は一度倒れてすぐに起き上がってきたので

 

もう一度

 

一回目より強く殴った…

 

今度はうまくいったので

 

実習室から持ってきた一輪車に乗せて

 

ブルーシートを被せて裏山へ運んだ…

 

この裏山は

 

以前崖からの転落事故があったので

 

立ち入り禁止になって居たが

 

一応なるべく奥まで運ぶことにした……

 

丁度良い感じの木が三本隣接して居たので

 

一輪車から降ろした女生徒を

 

布のガムテープで

 

先ず1本目の木へ後ろ手に固定し

 

あと2本の木に

 

一本ずつ足を固定した

 

目が覚めて声を出されると五月蠅いので

 

くちにガムテープを貼ろうと思ったが

 

舌を噛み切られるとつまらないので

 

先にタオルを詰め込んでから貼った

 

服を脱がせようと思ったが

 

先に縛り付けてしまったので難しく

 

仕方ないのでノコギリで布地を切り裂いていくことにした……

 

丁度全裸になったとき

 

女が目を覚ましたようだった

 

こちらを見て

 

何やら唸って居るが

 

くちを塞いであるので

 

何を言って居るのか解らない……

 

目には怒りの雰囲気を感じたが

 

「お前が怒るのは間違って居る」

 

 

教えてあげた…

 

せっかく教えてあげたのに興味を示さなかったので

 

蛙みたいに開いた足の間を

 

ローファーのつま先で強めに蹴ってみた

 

何故か余計に怒りながら

 

剰え抗議して居るようにも見えた……

 

どうやらこの女の頭はそうとう悪いらしい……

 

仕方が無いので

 

解るまで蹴り続けてあげようと思い

 

かなり強めに

 

何度も何度も蹴って居たら

 

女の表情が変わって居ることに気付いた……

 

真っ赤な目をして

 

涙と鼻水を垂らしながら

 

何やら唸って居る……

 

「おまえも花粉症?」

 

そう尋ねても唸るばかりで返事をしなかったので

 

そこからまた数十回蹴った

 

女は急に眠たくなったらしく

 

すっかり眠って居るようだったので

 

ローファーに付いた女の血液を

 

女の軀で拭ってから

 

ノコギリで足の指だけ切り落として

 

一旦学校へ戻ることにした

 

足の指を切り落とすのは

 

片方に付きワンストロークで済んだ

 

最初のワンストロークで5本切り落とした後

 

女は目を覚ましたらしく

 

何か唸って居たような気がしたが

 

無視して反対側の足も

 

同様にしてから女の顔を見ると

 

どうやら私の勘違いだったらしく

 

まだ眠ったままだった……

 

女をそのままにして

 

一旦学校へ戻ると

 

休校と全生徒の自宅待機が決定して居り

 

気分が悪くて外で蹲って居たと担任に伝えると

 

表面的な心配をしてくれた

 

裏山が立ち入り禁止になった理由は

 

崖からの転落事故意外に

 

野生の猿による被害というのもあったので

 

少しだけ心配したが

 

藤子と一緒に裏山へ戻ると

 

女は無事で

 

泣きながら

 

子犬のような声で

 

何か言いたげだった……

 

当然ながら犬語など解るはずも無いので

 

無視して

 

鮒木先生が行った拷問を

 

今から再現すると宣言した

 

女の顔からは

 

怒りの感情がすっかり消えて居るように見えた……

 

代わりに

 

本当に同一人物なのかと

 

疑いたくなるような情けない表情で

 

何かを訴えたげだった……

 

「唸ってるだけじゃ何も解らないよ?」

 

一応そう言ってあげたが

 

それでも女は唯唸って居るだけだったので

 

ノコギリを

 

女の右足内くるぶしの上に当てた……………

 

 

 

 

 

結局拷問の途中で女が無反応になり

 

頸動脈に触れると

 

脈を打って居なかった……

 

仕方が無いので

 

私達は穴を掘ることにした……

 

穴を掘りながら藤子が言った

 

「ねえ…

 今日帰りイタリアン行かない?」

 

 

と……

 

 

po-l.hatenablog.com