この企業に入社して
一ヶ月も経たないうちに
後輩が出来た………
彼女の名前は
鋳鷹といった………
初めて見たときの鋳鷹は
中世ヨーロッパ風のドレスを着て居て
もの凄く長い髪を
引きずりながら歩いて居た…………
後で聞いたら
「入社初日だったんで
ちゃんとしたカッコじゃないとダメかな?
って思ったんス」
そう言って居た………
私より4~5歳ほど若く見える鋳鷹は
髪が長過ぎるし
言葉遣いもあんまりだったけれど…
とても礼儀正しかったので
好感が持てた………
入社翌日から
私と同じ
お客さん相談ルームで働くことになり……
今私の隣の席で
アイリッシュコーヒーをつくろうとして居る…………
麝香の香りに隠れた…
血の匂い……………
それに…
手の甲にある……
無数の傷も気になったが…………
少なくとも
今私の目の前に居る鋳鷹は
私に対して礼儀正しく…
そんな鋳鷹に好感を持って居る
私が居るという事実は
何事にも代えがたいことなので……
「酒森センパイもコーヒーどーっスか?」
という言葉に対して
「クリームもウイスキーも多めでお願い」
そう答えた…………
TO BE COMUGIKO