~ 追憶 東雲坂田鮫 ~
先生は私の手足の自由を奪って居た包帯を解き……………
私の手に……
そっと乗せてくれた…………
「先生……」
「ん?……」
「この子は…
ナマズみたいで
可愛いですね……」
壁に貼られたポスターを見て
私はそう言った……
「ああ……
私もそう思う…………
時々鯨に見えることも在るけれど…………」
「ほんとだ……」
その時同じものを見て
同じように感じた私達は……
きっと同じように笑ったんだと思う…………
この時私は
自分の感情を
明確に言葉に表すことが…………
出来なかった…………
言葉にして
先生に伝えたいと…………
そう……
思ったのだけれど……………
ポスターに印字されて居た
オールズモビル98というこの車の名を…………
私は……
忘れないでおこうと思った……………
TO BE COMUGIKO