証券会社で働いて居ます

証券会社で働くOL達の日常を描いた物語です(・∀・)♡

送迎の人がくれたもの №6

~ 追憶 産業医 津葦キリコ ~

 

 

施設長は……

 

毎晩

 

顔立ちの整った女児達の中から何人かを選ぶのだが

 

あの姉妹は特にお気に入りだったらしく

 

その頻度は

 

他女児達との比にならなかった………

 

 

姉妹の泣き声や叫び声は

 

夜遅くまで止まないのが普通だった…………

 

これは

 

私達の日常で

 

当たり前の日々なはずだった…………

 

だけど…

 

そんな当たり前の日々は

 

姉妹にとって当たり前では無かったらしい…………

 

妹が

 

「わたしも」

 

 

言った後に

 

姉がラムネを出して……

 

「わたしたちをころしてくれるなら

 ふたつぶ

 あのひとに

 このてがみをわたしてくれるなら

 もうひとつぶ

 あのひとが

 いちねんごにまだいきていたばあい

 ころしてくれるなら

 ぜんぶあげる」

 

そう言った……

 

ラムネが好きだった私は

 

緑色のプラスチックボトルを受け取って

 

ラジカセの電源コードを

 

先ず妹の首に巻き

 

その後

 

姉の首に巻いた

 

 

「キリちゃんありがとう」

 

姉妹の最期の言葉は

 

同じだった……

 

施設長に渡して欲しいと頼まれた手紙には

 

あなたのことばをしんじています

 

 

それだけが書いて在った……

 

姉妹の願いのひとつ……

 

いちねんごに……

 

ん?

 

とは思ったがその時私はスルーして居た…………

 

 

私はこの姉妹に

 

少し

 

嫉妬して居た……

 

だからラジカセの電源コードには

 

躊躇いなく力を込めることが出来たし

 

施設長を殺害する気なんて

 

はじめから全く無かった……

 

この手紙を……

 

見るまでは………………

 

 

            TO BE COMUGIKO