証券会社で働いて居ます

証券会社で働くOL達の在りふれた日常を描いた物語です♡

ライバル会社に潜入したら №4

~ 追憶 産業医 津葦キリコ ~

 

 

 

大男の右手が懐に入って行こうとするのを見たとき…

 

私は反射的に

 

左手に持って居た鉈で

 

大男の右腕を

 

 

切り落としてしまって居た…………………………

 

 

床に落ちた肘から下には…

 

鋭い牙の毒蛇が

 

巻き付くように描かれて居り……

 

ピクンッピクンッ

 

 

痙攣する様は

 

それがまるで本当に生きて居るかのように思わせた……

 

 

「美しい………………」

 

私は純粋にそう思い

 

声に出して居た………………

 

とても芸術的で優美だった…

 

自分の心が

 

穏やかに…

 

とても安らいでいくのを感じた………

 

 

大男に視線を戻すと

 

肘から下が無くなった上腕を押さえる左腕に描かれた女と

 

目が合った………………

 

 

女の絵は

 

大男の肩にまで及んで居た為

 

傷つけないよう

 

鎖骨の真ん中辺りから鉈を入れ

 

脇の下まで通した………

 

痙攣する毒蛇の横に

 

女が寝そべる…………

 

女が……

 

女が毒蛇に噛まれてしまう…………

 

 

そう思った瞬間

 

大男の左肩周辺から吹き出す

 

真っ赤な緞帳が降りて……

 

私は

 

はたと……

 

今日ここへ何をしに来たのかを

 

思い出した…………………

 

 

大男が追いかけて来られないよう

 

両の足首を切り落としたが……

 

大男は

 

心身共に屈強そうな雰囲気だったので……

 

念の為

 

大腿骨の真ん中辺りをめがけて鉈を振り……

 

 

大男に別れを告げた両足を

 

窓の外へ投げておいた…………

 

一応口答でも

 

「追いかけて来ないでね」

 

 

と言ったが……

 

返事が無い……………

 

 

もう一度同じことを言ったが

 

また返事が無かったので……

 

先程両足を投げ捨てた窓の外へ

 

頭部も投げておいた………………………………

 

 

             TO BE COMUGIKO

 

 

 

だって追いかけて来たら怖いもんね……………