~ 追憶 武仲 ~

たぶんこの金髪美人も沢居ハンマと同じで、
俺にやられていることなど全く気付いていないと思う。
中に二回出したところでチャイムが鳴り、二限目が終わった。
床を拭く俺の傍で、
未だ気を失ったままでいる金髪美人に、
靴下を履かせているあいつ……。
女を散々なめに遭わせておきながら、
その後で見せるこういう優しさ……。
こういうのもモテ要素のひとつなんだろうな……、
と
思った瞬間、
長く記憶の隅に追いやっていた父のことを思い出した。
そういえば父も女をボコボコに殴りながら散々にやって、
後で抱きしめていたな……。
父の周りにも、いつも美人が集まっていた……。
父のことを思い出していたら、
金髪美人に靴下を履かせ終えたあいつがくちを開いた……。
「ねえ武仲ぁ、この女のクラス知ってる?」
「ああ……、沢居先輩と同じクラスだと思うから解るけど?」
こいつは空気が読めない……、
というか、
読まない節ががある……。
嫌な予感がした。
「いまから連れてってやろうよ」
当った……。
「え?あの……、マジでおっしゃってます?」
沢居ハンマのクラスといえば、
沢居ハンマを筆頭に、
問題児ばかりが集められた超武闘派の激ヤバクラスとして有名だ……。
正直、
俺は行きたくない。
かっこ悪いからおくびにも出す気はないけれど、
正直怖い。
マジで怖い。
「いやぁ……、俺は……、いいよ……」
「え?なんで?」
「いやぁ……、なんでっていうか……、
ダリぃっていうか……」
「……ふーん……、
じゃあいいや、僕一人で行くから。
この女ボロボロにしたのは僕と同じクラスの武仲君ですって、
この女のクラスの人達に言っとくね」
マイナス二百七十四度くらいの冷たい目で、
口元だけに笑みを携えながらそう言ったあいつからは、
何の駆け引きも無い、
唯の本気だけが伝わって来た……。
「やめてよ……、マジで……、さぁ……」
「じゃあ一緒に行く?」
「……、はぁ…………、解った……、解ったよ……」
「無理して行かなくてもいいんだよ?ダリぃんでしょ?」
「もう全然ダリくないです、
すっごい行きたいので、一緒に行かせてください」
「正解」
靴下だけ履かされて、
他には何も身に付けていない金髪美人を、
あいつが俺におぶらせようとするので、
「ちょっと待ってくれ、もう少し何か着させようよ……」
「え?なんで?面倒だからやだよ」
「いや……、あの……、
あの、ほら、風邪ひいちゃったら可哀想だし、
あの……、
俺が着させるからさぁ……」
「じゃあ、いいけど急いでよ?
休み時間終わっちゃうから……」
「ああ」
あいつが急かすので、
結局制服の上着を被せるだけに終わったけれど、
それでも靴下オンリーよりはマシ。
俺は今、
下半身丸出しの金髪美人をおんぶして、
沢居ハンマ率いる問題児達の巣窟目指して歩いている。
この金髪美人、
かなりスリムな体型なのに以外と重い。
その重さとは別の重さで進みにくい脚に鞭打ち、
俺は黙って歩を進めた……………………………………
TO BE COMUGIKO

一年前に仕込んだ通常熟成の自家製味噌が……………

もう……………

こんだけしか残ってない…………………
今期の仕込み量……………

もう一瓶増やそうかな………………

「おーい朔乃ーーー!
味噌仕込む準備するから来てくれーーー!!」

何したらいいですかー?

ガキじゃねーんだから…………………………


