証券会社で働いて居ます

証券会社で働くOL達の日常を描いた物語です(・∀・)♡

勇気を振り絞って告ったんだけど

東雲坂田鮫 アネモネ 藤子 のお正月休み終了に伴い

今年の新年会は温泉旅館にて執り行われる事となった……

しかし問題が在る……

鯖戸 ディアスパラグモス 棕櫚 の全身には刺青が……

そして東雲坂田鮫にもけっこう……

酒森は考えた……

旅館側と交渉し

通常入湯時間より早く露天風呂を使わせて貰う……

その間自身は他客と鯖戸先輩達がバッティングしないよう

露天風呂入り口で見張る……

温泉旅館側との交渉は

酒森が刃物を見せながら必死で懇願することにより

なんとか成立した…………

 

 

 

「すいません…

 私幼児体型なんで…

 恥ずかしいからお部屋で入ります………」

 

「えー?

 なんでよぉ…

 良いじゃん行こうよー……」

 

 

「すいません…」

 

「もう…

 藤子は?」

 

 

「私は棕櫚さんの居る所なら

 何処にでも

付いていきます……」

 

 

「ふう……

 やっぱり最高だな…

 露天風呂は………」

 

「はい…」

 

「てゆーか誰も居ないね?」

 

 

「確かに…何でですかね?……」

 

 

「まあいいや

 ラッキーだね」

 

「はい…」

 

「ねえ藤子?」

 

「はい?」

 

「急に変な事訊くけどさ…」

 

「何でも訊いて下さい

 棕櫚さんの知りたいことには全て答えます」

 

「藤子にとって会社ってなに?…」

 

「……

 そう…

 ですね……

 そう…

 例えるならそれは……

 例えるならそれは大切な物を全て失うまで…

 現れるのを禁じられていた……

 秘密の小道……

 とでも申しましょうか……」

 

「……

 ふうん…

 そっか……

 ……

 その…

 秘密の小道の先には

 何か在った?」

 

「…………

 棕櫚さんが…居ました…………

 そしてこの広い地球上で……

 あっても無くてもよいものに紛れて

 誰にも気付いてもらえなかった私を

 みつけてくれました……

 いつも血の海の中で

 細めたその目の隙間に輝く光…

 その光に私がどれだけ救われ……

 そして………………

 ……………………

 棕櫚さんの……

 棕櫚さんの白く…

 美しい肌……

 いつも最初の獲物に一太刀入れたとき

 棕櫚さんの白く美しい肌に付く

 始まりのしるし……

 そのしるしは……

 そのしるしは

 棕櫚さん自身の血なのではないか?……

 棕櫚さんの透けるような肌に…

 棕櫚さんの目眩がする程深い赤……

 でもそのすぐ後に

 いつも思うんです……

 そのしるしは

 もしかしたら

 獲物のものでも棕櫚さんのものでも無く……

 私のものなのでは無いか?……

 そうも…

 思うのです…………

 …………………………

 天使と堕天使の違いは何でしょう?

 天使と堕天使……

 元はどちらも天使です……

 けれど神に背き堕とされればば堕天使となり…

 背かなければ……

 もしくは……

 黙認されれば…

 天使のまま……

 ですが現状が天使だったとしても……

 いつ堕ちるか

 堕とされるかなんて…

 誰にも解りません……

 天使と堕天使の境界線は…

 まるで水面に落とした薄墨の様……

 その境界を示すことなど……

 誰にも出来はしないのです………………

 棕櫚さんは今何処に居ますか?……

 物理的には…

 私の目の前に居ます……

 私は今何処に居ますか?……

 今度は本質的なお話しです…………

 ……………………

 私には……

 私にはそれが解らない…………

 私自身のことなのに……

 私には……

 私には私自身の……

 私自身のそんなことすら……

 解らない………………

 そんな……

 そんな簡単なことすら……

 ……………………

 正直私は……

 殆ど……

 殆ど何も……

 ……

 私には殆ど何も……

 解らないんです………………

 だけど…

 だけどたったひとつだけ………

 たったひとつだけ解ることが在るんです…………

 それは……

 それは…………

 ……………

 棕櫚さんを心底愛して居る……

 この心……

 ずっとあなたの傍に居たい……

 たとえ周りで何が起こって居ようとも……

 例えこの地球が……

 燃え尽きる寸前だったとしても……

 死の帳が降りるその瞬間まで…

 私はあなたの傍に居たい……

 ……

 ……

 ……

 好きです……

 ……

 どうしようも無くあなたが好きなんです…

 愛して居ます……………

 私はあなたを愛して居るんです……

 マリアナ海溝よりも深く………

 心の底から………………」

 

「うん……」

 

「棕櫚さん……」

 

「あ…

 ふぁ~~~~~

 あ~~~

 気持ち良くて寝ちゃってたよ」

 

「え?」

 

 

「鯖戸センパーイ

 宴の準備が出来たそうでーす」

 

 

「えっ?

 早っ…

 もっと温泉浸かりたかったのに………

 仕方が無い…

 行こっか藤子」

 

「え…

 あ……は…い……」

 

「藤子ってさ…」

 

「はい?…」

 

「すっぴんだと…

 ぱっと見日本語通じなさそうだよね」

 

「……

 よく…言われます……」

 

                  誰?

 

              TO BE COMUGIKO