証券会社で働いて居ます

証券会社で働くOL達の日常を描いた物語です(・∀・)♡

斧と女神と私の仕事 前編

~ 追憶 産業医 津葦キリコ ~

 

 

水面に映った自分の顔……

 

いや……

 

もっと奥………

 

水の中を見て居た…………

 

振り返ると様々な木々……

 

 

草花……

 

鳥たちの鳴き声や

 

動物

 

虫たちの気配が在った……

 

小さな池だった……

 

その美しく

 

多種類の花々に囲まれた

 

艶やかな雰囲気の池とは裏腹に……

 

水面に映った私の顔は

 

とても沈んだ

 

重苦しいものだった……………

 

 

どうやら私はこの池に

 

大切な何かを

 

沈めてしまったらしかった…………

 

 

池水の透明度は素晴らしく

 

光の届かぬ何十m先の深さまで

 

まるでそこには

 

水どころか

 

何も存在して居ないかのように

 

見て取ることが出来た………

 

しかし

 

そのことが私に与えたものは

 

絶望以外の

 

何ものでも無かった…………

 

 

私の大切な何かは

 

この池の

 

光すら届かぬ奥底へと

 

沈んでしまったのだということを……

 

池水の透明度が

 

如実に伝えて居たからだ…………

 

 

夢で在って欲しい…………

 

これはただの夢で在って欲しい………………

 

そう思った時だった………………

 

突然水面が泡立ち始め……

 

眩い光に包まれながら

 

この素晴らしい池の花々が

 

霞んで仕舞うほどの豪奢ないでだちで

 

まるで宝石のように美しい女神が現れた…………

 

私の重く沈んで居た心や絶望は

 

散り散りになって

 

天高くへと……

 

昇っていった…………

 

私は心底嬉しかった……

 

 

あとはこの夢から覚めるのを待つだけなのだ…

 

「あなたが落としたのは

 この金の斧ですか?

 それともこちらの銀の斧ですか?」

 

おとぎ話の

 

ベタなそれだった……

 

しかし

 

女神がその台詞を発した瞬間に…

 

私は思い出したのだ………

 

 

これから

 

『お片付け』の仕事に

 

赴かなければならないのだということを……………

 

私は言った……

 

「私が落としたのは

 殺傷能力が高い鉄製です」

 

「あなたは正直な…

 

「違う!そうじゃない!!

 早く私の鉄斧を返せっっ!!」

 

女神が困惑した表情を見せ

 

金や銀の現在の価値や

 

これから更に上昇していくで在ろうと予測される

 

価格についての説明を始めた………………

 

        TO BE COMUGIKO

 

さっさと斧返さないとお前も殺害するよ?