証券会社で働いて居ます

証券会社で働くOL達の在りふれた日常を描いた物語です♡

闇バイトでのお仕事 №3

 

BARの重い扉を開くと……

 

いつもすぐに

 

 

あのひとが近づいて来る……

 

 

わたしはいつものように……

 

髪を乱暴に掴まれて……

 


硬いテーブルに

 

頭を

 

押しつけられる………

 

……………………

 

でも……

 

あのひとが……

 

わたしの頭を

 

テーブルに押しつけるときは……

 

優しく……

 

 

とても……

 

ゆっくりと…………

 

……………………

 

 

きっとわたしの顔や

 

軀の見える部位に……

 

傷や痣が出来ないよう……

 

気を使ってくれて居るのだ…………

 

 

………………

 

今夜は

 

わたしの髪を掴んで

 

テーブルに押しつけて居る

 

あのひとの手の力が……

 

何故か…

 

緩んだ……

 

………………

 

そして………

 

今度は

 

私の髪をゆっくりと引っ張って……

 

私の顔を

 

振り向かせるように

 

後ろへ向けた……

 

…………………………

 

とても……

 

窮屈な姿勢………………

 

……………………

 

もう一方の手……

 

たぶん……

 

あのひとの

 

人差し指と

 

中指が……

 

私の……

 

頬に触れた……………

 

あの人の顔が……

 

 

近づいて来て………………

 

 

…………………………

 

呼吸を感じられる距離まで来たとき…………

 

くちづけされるのだとおもって

 

……目を閉じた……

 

……………………

 

でも……

 

わたしのくちびるには……

 

何も触れない……

 

ただ……

 

首には

 

ゆっくりと……

 

あのひとの薬指が…………………

 

埋まり込んで来るのを……

 

感じた……………………

 

…………………………

 

そうか……

 

これは

 

あのときの……

 

続き……………………

 

やっとわたしは

 

それに気付いた……………………

 

 

わたしの生に……

 

帳が降りようとしていることを知った…………………

 

あのひとの……

 

薬指の力が

 

一旦緩められたとき

 

一回大きく咳き込んだが……

 

またすぐに……

 

あのひとの薬指が……

 

わたしの首に……

 

埋まり込む………………

 

………………………

 

………………………

 

もう1ccすら

 

酸素を取り入れることが出来ず……

 

………

 

わたしは思わず…

 

あのひとの手首を掴んだ…………

 

あの人の手首は

 

ひんやりと冷たかった…

 

氷のカッティングで冷えた指や

 

手だけでなく……

 

きっと体温自体が…

 

私と比べて

 

とても低いのだろうと…

 

そう思った…………

 

もうだめだ

 

そう

 

感じた瞬間に

 

体中の力が

 

一気に抜けた……………

 

……………………………

 

あのひとは

 

わたしの胸を強く掴んで…

 

意識をここから遊離させてはくれなかった………

 

どうやらあのひとは

 

わたしを殺害したいわけではないらしかった……………

 

 

私は……

 

あのひとの行動……

 

その……

 

ひとつひとつに……………

 

……愛情……

 

或いはそれに類似したもの

 

………………………………

 

そのようなものを

 

感じて居る自分に…………………………

 

気付いてしまって居た………………………………

 

 

……………………………………

 

いつも……

 

自分が汚してしまった床の……

 

掃除から

 

わたしのしごとが始まる………………

 

 

………………………………

 

慣れない仕事で

 

何をして良いのか解らないという状況は

 

とても不安だと思うが……

 

思えば

 

このBARで……

 

わたしは

 

そんな不安を感じたことがない…………

 

 

あのひとは

 

 

いつも私が

 

BARに足を踏み入れた瞬間から

 

私に

 

仕事を与えてくれて居たのだ……………………

 

 

面接行為と……

 

今は……

 

たぶん朝礼?……

 

内容は同じだが

 

濃度はエスカレートして居る気がする………………

 

これもきっと

 

わたしの慣れや

 

スキルの向上に付随した

 

適切な判断によるものなのだろう………………

 

今夜も朝礼行為のあとで……

 

散々蹴られた…………

 

 

そしてあのひとは……

 

今夜もわたしを抱き起こし……

 

 

大切なお人形でも扱うかのように……

 

わたしの髪を優しく整えてくれた…………

 

 

わたしが自分でべちゃべちゃにしてしまった床の

 

 

掃除が終わる頃

 


「賄いできたからたべなよ」

 

 

いつもそんな感じの言葉を発しながら

 

日替わりの賄いパスタを

 

そっと床に置いてくれる……

 

 

今夜の賄いパスタは

 

なんていう名前なんだろう…………

 

 

勿論わたしに……

 

 

そんなこと

 

 

訊けるわけがないのだけれど…………

 


今夜も美味し過ぎて……

 

 

ほっぺたが落下しそうだ……………………………………

 

 

              TO BE COMUGIKO

 

 

そういえば……
あの…ほぼ毎晩来る御常連さんって……
法人営業部の鯖戸先輩だよね……
よかった……
会社と違う化粧してて……
だって……
わたしだって気付かれたら……
なんとなく恥ずかしいもんね…………
毎晩……
かなり色々
見られちゃってるし……………………

 

 

あのバイトの女の子の声…………
どっかで聞いたこと在る気がするんだよなぁ…………
ま……
わたしにかんけーないから
どーでもいいけど……