~ Bella giardino ~
「お前ひょっとしてサボってる?………
全然オサレになって来ねーじゃん…………」
「えっ………
いっ……いえ…………
決してサボってるとかではなくて…………………」
「解ってるよバーカ……………」
「あ……良かっ………………
え?………………」
サボってるとかサボってないとか………………
バーテンダーさんにとっては
そんなの関係無いんだな…………………
やっとそれが理解出来た誰そ彼時……………………
いつもマグロで申し訳無いなと思って………………
自分から動こうとしたら
首に手を掛けられて………………………………
そこからの記憶が無い……………………………………
目が覚めたらバーテンダーさんは居なくて……………………
でも………………
わたしの身体には………………
バーテンダーさんの痕跡が強めに残ってた…………………………
うーん…………………………
そうか……………………
マグロが好きなのかも…………………………
うっすらと思い出す…………
バーテンダーさんの声……………………
「お前が死にたいと思ってなかったら殺してたよ?」
夢だったかも?
でも本当にそう言ったのかも?
……………………………………
これからはとりあえず
今までどうりマグロで居よう………………………………
そう思った………………………………
外へ出たら真っ暗だった…………………………
確かに全然オサレ化が進んで居ないよね…………………………
サボっているつもりは無いのだけれど…………………
でもそれはまぎれもない事実だった………………
朝までに何か少しでも……………………
………………………………
わたしはスコップを取りに行った…………………………
気付けば暁降ち…………
空が白んで来た…………………………
作業を急ごう……………………
深さは30㎝~40㎝くらい……………
しっかり耕して…………
岩石除去もきちんと行った………………
こんんな感じで………………………….
周りに出土岩石を埋め込み………………
ナチュラルな花壇にした……………………………………
バーテンダーさんの自家製堆肥も多めに漉き込んで在る……………………………………

わたし的には………………………………
まーまーイケちゃってると思う……………………………………
「あ…………
バーテンダーさんおはようございます♪♡
これ見てくださいっ☆」
「朝からうるせえよお前…………………………」
バーテンダーさんはわたしの髪を掴んで………………
引きずるようにして水道まで連れて行き……………………
水道の蛇口を捻った…………………………
暫く呼吸が出来なくて…………
死ぬかも?
そう思った瞬間水が止まって………………
「身体拭け
身体拭いたらBARに入ってこい………………」
そう言い残してバーテンダーさんは歩いて行く……………………
そうか……………………
わたしが昨夜の作業で汚れているのを…………………
可哀想に思って洗ってくれたのか………………
やっぱりこのひとは優しい…………………………
そう思った…………………………
身体を拭いて………………
BARの扉を開く…………………………
バーテンダーさんと目が合った…………………………
と………………
思った瞬間足払いで倒された………………………………
ああそうか………………………………
きっとこのひとは……………………
わたしのことを………………
どう褒めれば良いのか解らないんだ…………………………
わたしはまたいつもどうり好き勝手されて……………………
BARの外へ放り出された…………………………
「オイ朔乃…………………………
あれ良いじゃん…………………………
今からもう一個つくれ……………………」
「わかりました」
昨夜全く寝てないから……………………
気絶しそうに眠かったけど頑張った…………………………
こんどは普通に褒めてくれるかな?……………………
べつに褒めてくれなくても良いんだけどね…………………………
TO BE COMUGIKO

手慣れてやがる………………………………
あの…………
土を均一に混ぜるスコップ捌き……………………………………
あれはプロの仕事だ…………………………

前職でコンクリートとか混ぜてたんで………………………………
土なんて………………
混ぜるの簡単なんです………………………………


~ ここに連れて来られた夜が明けて 朔乃 ③ ~

髪を掴まれ、裸のまま小屋の外へと連れて行かれた。
「この階段、滑りやすいから気を付けろよ」
喋り方はぶっきらぼうだけど、
この人の声はとても優しい。
昨日もそうだった。
とても優しい声だけど、
私の髪は、掴まれたままだ。
「はい」
階段を降りるとBARの出入り口が見えた。
流木でつくられた手描きの看板が置かれている。
その看板と、小屋のある駐車場との間には、
空き地が在った。
「どう思う?」
「え?」
「ここだよ」
バーテンダーは髪を掴んだままの私の顔を、自分の顔に近付けて、
空き地に視線を遣った。
どういう意味だろう?……。
「殺風景だろ?」
「え?……、あ、ああ……、
確かに…、そうですね……」
確かに殺風景な空き地だ。
ブロックや石、
小さな樹や雑草などは生えているけれど、
他には特に、何の特徴も無い、
唯の空き地……。
「ここをお洒落なガーデンに変身させたいんだ」
「え?」
「お前、やるだろ?」
「……えっ?」
「お前行くとこ無いんだろ?雇ってやるよ」
この人は、いきなり何を言っているんだろう……。
私は死にたいのだと……、
殺して欲しいのだと……、
昨日、そう伝えたはずなのに……。
未だ掴まれたままになっている髪を引っ張られ、
私の顔がBARの外壁に押しつけられた。
また後ろから……。
すぐに力が入らなくなって、
私は膝を突きそうになったのだけど、
ずっと掴まれている髪を上方へと乱暴に引っ張り上げられ、
背中をBARの外壁に……。
そして今度は前から……。
私はもう全く身体に力が入らない状態にさせられていたのだけれど、
この体勢ならどれだけ脱力してしまっていようと、
膝を突いたり倒れたりすることは無い。
下を見ると、ブロックや尖った小石……。
もし私があのまま膝を突いたり倒れたりしていたら、
きっと血が出ていたはずだ……。
私は、朦朧とする意識の中で、
この人は声だけで無く、
きっと芯から優しい人なのだろうな……、
と、
そう思って居た……………………………………………………
TO BE COMUGIKO






























