~ 追憶 頼瑠 ~

洗い終わり、水気をペーパーに吸い取らせる。
ペーパーが付着していたら恥ずかしいので、
片足を上げ、Y字バランスの格好で鏡を見る。
問題無し。
けれど、
ついさっき水気を拭き取ったばかりのはずだった部位は、
既に違う液体で濡れ始めていた……。
そちらに関しては諦めた。
二階で物音がしたような気がする。
呼吸を止めて、耳に神経を集中させ……、
いや、耳に神経を集中させる必要はなかった。
すぐに二階からドタバタと大きな音が聞こえだした。
どうやら最神さんが、
わたしの許可なく勝手に二階へ上がったらしい。
ここはわたしの家だ……。
まあ……、いいけど……。
それにしても、
いったい何をそんなにはしゃいでいるというのか……。
たぶん最神さんは今、
わたしの部屋にいると思うのだけど……、
そんなにはしゃぐほど愉しいものなんてないはずだ……。
でも……、
わたしにとっては変わり映えのしないいつもの部屋でも、
最神さんにとっては初めての部屋……。
きっと何かが愉しいのだろう。
何が愉しくてはしゃいでいるのか訊いてみよう……。
そう考えながら、わたしは裸のまま階段を上る。
因みにわたしが全裸なのは、
最神さんが居るから、というわけではなく、
これが家に居るときの、
わたしのスタンダードだからだ。
兄に強要されているという態で、
父が居るとき以外はほぼ百%全裸で居るのだけど、
これはもちろん、
自発的行動。
寒い日でも出来るだけ我慢して全裸で居る。
だって変でしょ?ヘンタイが普通に服とか着てたら。
そっちのほうがよっぽどヤバくない?
階段を上って行くにつれ、
ドタバタと感じていた音は、
先程よりはマシな……、
ドタバタというよりは、
揺れ?
そんな感じのものに変わり、
最神さんの、
押し殺したような声?
いったい人の部屋で何をやっているのか……。
だいたい想像はつくけれど、
カーペットは汚さないで欲しいなと思った。
最神さんはああいうことをするときに、
必ず一度は失禁する癖がある……。
わたしの家のわたしの部屋だけど、
一応三回ノックする。
返事がない、
まあ良いか。
ここはわたしの家の、わたしの部屋なのだ。
扉を開ける。
わたしは一瞬固まった。
最神さんの姿がない。
というか誰も居ない。
人が入っているようには見えなかったけど、
一応布団をめくり、
クローゼットの中も見た。
ベッドの下も確認しようかと思ったけれど、
それは止めておいた。
少し前から、
最神さんの押し殺したような声……、
というか、
くぐもった声?
それと物音は、
薄い壁一枚隔てた隣にある兄の部屋から聞こえているということに
気付いていたからだ......。
わたしは自分の部屋を出て、
兄の部屋の扉を、
トントントン。
「どーぞー」
中から兄の声がした。
どうやら兄は今日学校を早退して、
わたしたちよりも先に帰宅していたらしい。
パンパンパンパン
「頼瑠おかえり」
兄の部屋の扉を開くと、
笑顔の兄が、
普段と変らない声と表情でそう言った……………………………
TO BE COMUGIKO

☆THE MUSEIGEKI☆

Don’t Think. Feel !!(・∀・)♡





流石に理不尽と言って良いかも知れないなぁ……………………





