証券会社で働いて居ます

証券会社で働くOL達の在りふれた日常を描いた物語です♡

闇バイトでのお仕事 №1

バイトの面接に行って…

 

 

開口一番言われたことには

 

驚いたけれど……

 

 

私は

 

「ありがとうございます……

 よろしくおねがいしますっス……」

 

 

そう答えるしかなかった……………

 

 

私は以前……

 

この人に

 

遭って居る……………

 

 

後ろから髪を掴まれて

 

テーブルに頭を押しつけられるかたちで行われた

 

面接行為の最中に……

 

そのことを仄めかしたら…………

 

「覚えて居ない」

 

 

 

そう言って居たけれど……

 

絶対に嘘だ………………

 

 

あの日私は……

 

男を一人……

 

殺害した………………

 

 

その時

 

埋めるのを手伝ってくれたのが……

 

この人だ………………

 

 

あの日私は

 

生まれて初めて

 

本物の恐怖……

 

というものを知った……………

 

本物の恐怖を知ってからというもの

 

私にとって

 

それまで恐怖だと思って居たものは……

 

だたのありふれた……

 

日常になった…………………

 

 

例えば……

 

肉食獣(以下猛獣)は恐い…………

 

何故?

 

何故恐いのか……………

 

それは

 

言葉が通じないからだ……

 

道理が通じないからだ……

 

勿論法律も及ばない……

 

理性や秩序……

 

道徳心………

 

人間で在れば

 

少なからず持って居るはずの……

 

良心………………

 

猛獣は……

 

それら一切を…………

 

持って居ない……………………

 

 

だから……

 

だから恐いのだ………………

 

 

猛獣は

 

良心の呵責や……

 

後悔といった

 

人間で在れば

 

誰でも経験したことがあるはずの感情も……

 

きっと……

 

その存在すら……

 

知らない………………

 

 

私はこの人に初めて遭ったあの日……

 

自分はもう死んだ……

 

 

そう思った…………

 

走馬灯を見た……

 

失禁して居た……

 

身動きがとれず

 

自分が立って居るのか意識は在るのか…………

 

それすらも解らない……

 

そんな……

 

そんな状態だったと…………

 

そう……

 

記憶して居る………………

 

あの時私が死ななかったのは……

 

偶々猛獣のお腹が膨れて居たからに他ならない………

 

人間と違い……

 

猛獣は

 

お腹が膨れて居れば……

 

自分の目の前に

 

どんなに美味しそうなご馳走が在ったとしても……

 

それに手を出しなどしないのだ………………

 

 

スコップを持って

 

鼻歌まじりに遠ざかる

 

あの後ろ姿は……

 

未だに私の

 

網膜に焼き付いたままだ…………

 

 

始めに言われた通りの面接行為が終わったと思ったら……

 

今度は床に転がされて

 

5~6回……

 

強く……

 

蹴られた……………

 

「とりあえず仕事の前に

 賄いつくってあげるからたべなよ」

 

 

そう言いながら私を抱き起こして……

 

人形でも扱うかのように……

 

私の乱れた髪を整えてから

 

あの人は

 

厨房に入っていった…………

 

 

あのときと同じ後ろ姿が

 

私の網膜に二度焼きされて……

 

たぶん一生………………

 

消えなくなった……………………

 

呼吸が出来ない……

 

軀中が痛い…………………

 

今夜は面接だけだと思って居た…………

 

 

殴られたのも蹴られたのも……

 

全て服で隠れる部位だったので

 

 

バイトをするにあたって

 

外見上の問題は

 

なにひとつ無かった………

 

 

どうやら私は……

 

面接に受かったらしかった………………

 

「あ……

 あの……

 は…い…………

 あ……

 ありがとうございます……っス…………」

 

かなり後れた返事をした後……

 

私は自分が汚してしまった床を拭いた…………

 

 

これがこのBARでの……

 

私の

 

最初の仕事になった………………

 

 

「そこでたべていいよ」

 

 

そういって

 

あの人が指差した床で

 

私は今

 

 

賄いのナポリタンを食べて居る……………

 

 

……………………

 

溢れ出しそうになる涙を……

 

私は必死に堪えて居た……

 

 

たぶん私の目から溢れ出ようとして居たものは…………

 

美味しいナポリタンに対する感動………………

 

たぶん……

 

きっと…………………………………………

 

 

               TO BE COMUGIKO

 

 

本物の恐怖を知る前
私が恐怖だと感じてて居たことは……
シチューを作ろうとして居た鍋に カレールウを投げ込まれるということだった……
真ん中の姉がおーちゃきー女だったので
過去に何度か
殺られたことがあったのだ…………