~ Bella giardino ~

床の上に直接身体を横たえると……、
あの日の記憶が思い起こされた……。
あの呑み会に、もしも参加しなければ、
こんなことには、
ならなかったはずだ……。
私は、こんなに大きな罪悪感にさいなまれることもなく……、
その呵責から、
死にたいと……、
死ななければならないと……、
そんな思いに悩まされることも、
無かったはずだった……。
「朔乃、今晩呑み会やるからお前も来いよ」
上司にそう言われたとき、私は少し迷った。
男ばかりの職場だ。
女は私、一人だけ……。
だけど、
職場に住み込みで働いている私に、
このあと予定が無いことはバレバレだったし、
断ったことが原因で、
職場の人達と気まずくなるのは避けたかった……。
「あの……、
すいません……、私……、
お金が全然無くって……」
「おごってやるよ」
正直お酒は好きだし、
というか大好きだし、
久しく食べていないまともな食事にも心が揺れた。
「ありがとうございます」
私の心が判断を下す前に、
私のくちは、承諾の旨を伝えていた……。
男ばかりの職場で、しかも九割強面だ。
私はかなり緊張していた……。
けれど呑み会に参加したのは、
幹部二人と、若い子が三人。
私を含めてたったの六人。
しかも全員普通に喋ったことのある人達だったし、
仕事のときとは全然違って、
みんなとても柔らかい雰囲気……。
私の緊張はすぐに解けた。
案ずるより産むが易し。
まさにそれだったと思った。
好きなものを注文して良いと言われたので、
大好きな唐揚げばかり注文して食べていたら、
何故かウケていた。
みんな笑っていて。
とても愉しい。
お酒も沢山呑んだ。
みんなで一緒にお酒を呑みながら、
美味しいものを食べて、
仕事とは全く関係の無い話しをする。
ほぼ毎日顔を会わせ、
言葉だって交わしていたというのに、
全然知らなかった職場の人達の素の顔が見えてくる……。
顔に似合わず、実はみんな優しい感じ……。
見た目で人を判断してはいけないと、頭では解っているはずなのに、
いざ強面を前にすると、
そうはいかない自分が居た……。
恥ずべきことだと反省し、
心の中で謝った。
もうこれからは大丈夫。
大切なのは中身だ。
この呑み会に参加できて、本当に良かった。
このときの私は、
心の底から、そう思っていた……。
みんなすっかりいい感じになって、
日付も変ったことだし、そろそろ……。
と、
なった。
少々吞みすぎてはいたけれど、
立ち上がれない程ではない。
表へ出ると、未だ少し肌寒く感じる晩春の気温が心地良く、
車の通りが多くて排気ガスだらけのはずなのに、
吸い込む空気も美味しく感じた。
先に店を出た若い男の子が、
コンビニの袋を抱えて、こちらへと走ってくる。
全員にペットボトルのミネラルウォーターを渡す。
「あの……、朔乃さんだけこれ……、
硬水っていって、ダイエットとか美容とかに凄い良いらしいんで、
朔乃さん、今日けっこう吞んでたし、
ちょっと飲みにくいですけど多めに飲んどいたほうが……」
私でも知っているメーカーの水、高いやつだ……。
私なんかにもくれたという、それだけでも嬉しいことなのに、
こんな気まで使ってくれるなんて……。
しかもペットボトルの蓋を、
わざわざ開けて渡してくれて......。
嬉しすぎた。
こんなに若いのに、
しかもこんな男ばかりの職場で働いている子なのに、
ちゃんと女に気を使えるんだなと感心もした……。
そして何より、私のことを、
ちゃんと女として見てくれているんだと……。
もの凄く気分が上がる……。
解散した後で、
もしもこの子がこそっと私を誘ってきたら……、
ついて行っても良いかと思った……。
でも……、
さすがにそれは無いか……。
「ありがとう」
私は半分以上一気に飲んだ。
思いの他硬度が高くてむせたけど、
吐き出しては申し訳無いと思い、
気合いで耐えた。
何故かまたウケていた。
みんな声を出して笑っていた………………………………………
TO BE COMUGIKO

おまけ
この日の賄いは…………………………………
こんな感じでした………………………………………………
いつも……………………………
私にも感情が在るのだと言うことを………………………

バーテンダーさんは知らないのだろうな……………………………

って……………………………………

そう思わずには居られないど……………………………………………
無茶苦茶されてるわたしだけれど……………………………

それでもやっぱりバーテンダーさんのつくってくれる賄いは…………………………

「オイ朔乃…………………

冷めないうちに早く食べろ」
「いただきます」

ホントに美味しくて幸せな気持ちになれる………………………………………
「……………………………………………」

せめて食べ終わるまでは待って欲しいな…………………………………

もう………好きなようにしてもらって良いですから…………………………………………

おかわりもOK♪♡
このBARの賄いは……
マジ最高♪♡♡♡






